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岡嶋二人の「クリスマス・イヴ」を読み終える。 [本]


クリスマス・イヴ (講談社文庫)

クリスマス・イヴ (講談社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/12
  • メディア: 文庫




岡嶋二人のクリスマス・イヴ
聖なる夜のミステリーかと思いきや、聖なる夜に殺人鬼に遭遇してしまう血みどろホラー小説だった。
ミステリーではない岡嶋もいいなと思ったけれども、やっぱりミステリーの岡嶋がいいなとも思わせる。
だけれども、あいかわらず読みやすい。会話口調の展開がいい。無駄な説明がない簡潔な会話のリズムでなりたっている岡嶋らしさは生き残っていた。

ネタバレあり。

クリスマスに山間の別荘でのパーティーに参加するためにやってきたのだけど、そこには友人の惨殺死体。
なぜ死んでいるのか、なぜ殺されたのか。

ホラー小説の展開していく作品であるけれども、そこは岡嶋二人だから謎解きの仕掛けがあるのだろうと思っていたけれども、それがなかった。
最後まで、ホラーだった。

殺人鬼は、近所の別荘の持ち主である大場。
別の別荘の老人が彼に騙されて、近所で暴れまわっている男女がいるから、やってきたらとっ捕まえてくれと言っておくんだけど、大場に襲われた敦子と喬二と生き残っていた賢志の説得で、大場を捕まえられそうになるんだけど逃げられてしまう。

殺人鬼と浅い近所付き合いではあるけど顔見知りの老人がいるという設定も正体不明の存在に襲われるホラーと違う恐怖がある。大場という名前ででてくるのは滑稽な感じもある。

そんな大場さんが、襲ってくる理由は賢志が大場さんが女性を殺すのを目撃してしまったからであろうけれども、電話線を切って、車を破壊して、陸の孤島状況をつくりだしてまでやる必要あるの?

結末は、ジープで敦子をひき殺そうとする。
敦子は、大場が別荘を燃やした時に使用した残りの火炎瓶をジープに投げつける。
煙草を吸っていた大場さんが火だるまになってジープは崖の下へ。

その前に、ジープにつけられた紐に引っかかって引きずられていた喬二はなんとか助かり二人は、クリスマスを祝う?

ジープに火炎瓶投げつけて、運転している大場に火が付くって変。
雪で真っ白な別荘地で、夜明け直前の寒いときに窓開けている?ジープってのは、オープンカーみたいなやつなの?それはない。文庫本の表紙に描かれているジープは、オープンではない車。
ボンネットにあたって割れたのガソリンが引火するのは無理がある。

直前に大場と敦子は会話をしているから窓開けっ放しだったのかもしれないけれども、違和感あるけれども、それをいったら物語全体が、大場の存在も無茶苦茶だから、それでいいんだ。
クライマックスの殺人鬼を倒すシーンとしては絵になっているし。

ミステリーではない岡嶋もよかった。
この状況をどのように脱するのかという謎解き小説であるのかな。


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