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岡嶋二人の「とってもカルディア」を読み終える。 [本]


とってもカルディア (講談社文庫)

とってもカルディア (講談社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1988/06
  • メディア: 文庫



岡嶋二人の山本山コンビの第二弾は、長編。
第一弾の「三度目ならばABC」は短編だったのだけれども、どちらにしても岡嶋二人は読みやすい。
だけれども、軽いという感じではなくって、流れるような軽いリズム。

冒頭で土佐三郷が「一見、つながらないような事柄が、一つになっちゃうから世の中おもしろいんじゃないの。」

まさに、この彼女の言葉が岡嶋二人作品の面白さ。
この作品でも、織田の友人と消えた死体のつながりが見えてくるようで、見えてこない。
消えた死体のトリックは、あっさりと解決してしまうのだけれども、殺人のトリックがメインではなくって、なぜその殺人が起こったのか?が謎解きのメイン。

ネタバレあり。




増補版 三度目ならばABC (講談社文庫)

増補版 三度目ならばABC (講談社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/13
  • メディア: 文庫





消えた死体のトリックは、速攻で織田が見破る。
ただ窓から投げ落としただけのトリックだったので、トリックはいえないトリック。
胸にナイフが刺さっていたのに、周囲に血痕がなかったのは、ペーパーナイフが刺さりっぱなしで血が体内に溜まっていたから。死体は、あとになって山中で発見される。

それはいいとして、この消えた死体と織田の友人が同郷で、その土地の富豪が亡くなり遺産相続するときに娘と妾の子供(男)の行方がわからなくなっていた。
遺産整理の管理をしていた弁護士の依頼で、二人を探したのが消えた死体の男。

富豪の娘は、黒色火薬を作って儲けた人殺しの道具をつくった父を嫌い家出していて、偽名をつかって生活をしていた。そしてある男と出会う。
それが妾の子であって、男の方は義母妹だとは知らなくてプロポーズする。
娘は偽名のままで居たいので戸籍をなんとかしようと役場へ手紙を送る。

織田の友人は、役場務めをしていてその手紙を読む。
遺産相続のときに、娘は戸籍を東京へ移しているのに、いまさらなぜ?と疑問を持つ。
あの弁護士怪しい。

それで東京へやってきて弁護士と遺産相続の時の直近に担当した事件の加害者との関係を調べる。
加害者の女が、娘を名乗り遺産を相続していた。
それを知った織田の友人は、弁護士と女をゆすり、殺された。


そんなお話だったのだけれども、毎度毎度、これはすっきり話がつながるのか?と思わせるけれども、強引な感じでもなくすっきりと納めてくれる岡嶋二人。
直近に読んだクリスマス・イブはホラー小説だったけれども、こちらは立派なミステリー小説。
殺人が起こるんだけどドロドロした雰囲気はなく、とってもカルディアというタイトルのように、ポップな感じ。
積極的な土佐の突飛な発想、無茶な推理を慎重派な織田が冷静に組みなおしていくコンビもよかった。

だけれども、義父、義母の兄弟姉妹でそうとは知らずに結婚していまうってことはないのか?
未婚で出産したら、認知されていなければ、戸籍上の父親の氏名は書かれていないのか?それだと結婚してしまう可能性がなくはないんだな。精子バンクからの精子提供で生まれた場合とか、大丈夫なのかな。


まぁそれはさておき、山本山コンビというのは、「織田貞夫」と「土佐三郷」の両名ともに名前が回文になっているから。

「おださだお」と「とさみさと」


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