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貴志祐介の「雀蜂」を読み終える※ネタバレあり※ [本]


雀蜂 (角川ホラー文庫)

雀蜂 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2013/10/25
  • メディア: 文庫



驚きの結末だった。
良い意味ではなくて悪い意味で。

裏表紙にラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!と書いてある通りの予測不能ではあったのだけれども、伏線の回収はそこそこしてはいるけれども、もうちょっとなんかなかったのかな。

文庫本で236ページで、どんな結末になるのか気にはなって読み進んでいってしまう分だけ結末に驚き。
結末をしって、話を振り返って想像するとコントだ。

ネタバレあり


雪で閉ざされた山荘。
目覚めた俺は、家の中にキイロスズメバチが飛んでいることに気が付く。
過去に一度刺されたことがあるので、二度目はアナフィラキシーショックで死ぬかもしれない。
絶対に刺されてはいけない。

妻の姿が見当たらない。
電話も配線が外され、車のキーもない。
妻が同級生で雀蜂研究をしている男と共謀して俺を殺そうとしている。

そんな展開でキイロスズメバチと戦って、地下室へ避難したらそこにはオオスズメバチがいてさらに状況悪化。ガレージに逃げて、中にあったスキーウェアなどで防護服っぽいものを仕立て上げ巣の駆除に挑む。

そんな雀蜂との格闘。
その合間に、どうして妻はこんなことをしたのか?
作家の俺が書いた作品に、現在の状況を重ね合わせるように自問自答。

しかし、最近急に衰えた体力。
これでおしまいかという時に、オレを殺そうとした妻と男が、俺の死を確認しにやってくる。
死んでたまるかと俺は最後の力を振り絞り、地下室へ様子を見に行った妻と男を閉じ込めることに成功。

安堵しソファーに手を付いたとき、死んだスズメバチの針が手に刺さって息苦しくなり、喉に呼吸のための穴をワインオープナーで開ける。

そこへやってきた警察と妻。
妻は俺が妻を殺そうと計画していたことを説明。
それは嘘で、逆だ。
説明したいが喉に空いた穴で声が出ない俺。

警察が妻に「あなたの旦那があなたを殺そうとしていたのは別にして、この男は誰ですか?」


ここから驚きの展開がはじまる。
俺は、妻の旦那ではなかった。
俺は、作家のストーカーで、それが悪化して作家の分身だと思い込んでいる70代くらいの老人。
別荘は俺のもので、返してもらいにやってきて、出てきた作家を殺して主寝室で寝ていた。

妻を殺す計画を旦那は実行に移した直後だったので、別荘内にはスズメバチがいた。
俺は喉に穴をあけて死に、幽体離脱して分身となって自分と妻と警察を見た。
作家の分身と思っていた俺が死んで分身を見るって遊び心。

この結末を知って、それまでの経過を考えると、70代の老人がスズメバチと雪で閉ざされた別荘で戦っていたという事。手製の防護服で戦っている姿はコントだったんだな。

50ページの一行目で、俺が作家とは別人だと気が付いた人もいるのかな。
私はさらりと読み過ごしてしまったけれども。







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