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連城三紀彦の「美女」を読み終える [本]

結構、前に読み終えていたけれどもブログ記事にしていなかった連城三紀彦の「美女」

美女 (集英社文庫)
美女 (集英社文庫)



あんまり面白くなかった。
あんまりというか、全然だな。

短編集なのだけれども、これといってトリックがあるわけでもないし、トリックがないわけではないんだけれども、殺人の謎解きっていうか、おかれている状況の謎が解かれるって展開ではあるんだけれども。
美女に翻弄される男たちってわけでもないし、外見の美しさ、内面の美しさがあるわけでもない。
「造花の蜜」「人間動物園」のイメージを持ち過ぎていた私が間違っていた。そもそもこの作品は刑事事件小説ではないのだから。

そんな中でもよかったのが、夜の二乗
ふたつの場所で起こった殺人事件。自供した男が、自らのアリバイに用いるのが別の場所でもう一人を殺していたというもの。トリックはそんなに奇抜ではないのだけれども、そうゆう行為が普通の貞操観念をもっていたら思いつかないって先入観を逆手に取ったトリックでよかった。

ネタバレではあるけれども、トリックは男の妻と女はレズビアンであった。
もしかしたら男は妻と女と複数プレイを楽しんでいたかもしれない。
男は癌になり人生を清算しようと妻と女を殺して、自分の体液を二人の女に残して妻を自宅に運ぶ。
二か所で起こったと思われた殺人は、一か所で行われていた。

これだけなんだけれども、まさか妻と女がそういう関係だったなんて。
同性愛だったから殺したってわけではないのだけれども、動機がはっきりしないまま癌で死んでしまう。




連城三紀彦の好きな作品
造花の蜜〈上〉 (ハルキ文庫)
造花の蜜〈上〉 (ハルキ文庫)

造花の蜜〈下〉 (ハルキ文庫)
造花の蜜〈下〉 (ハルキ文庫)

人間動物園 (双葉文庫)
人間動物園 (双葉文庫)



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