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真保裕一のデパートへ行こう!を読み終える※ネタバレあり※ [本]

贈収賄事件に揺れる百貨店の閉店後の深夜に起こる群像劇。
複数の人物たちが相互に絡み合ってくる関係が明らかにされていく展開を単純明快に読みやすく描いてある、優秀なエンタメ作家の真保裕一の作品。


デパートへ行こう! (講談社文庫)デパートへ行こう! (講談社文庫)
真保 裕一

講談社
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ネタバレあり


それぞれの思惑があって深夜の百貨店に忍び込んだ男女

仕事が無くなり妻に離婚を申し渡され、一人娘への連絡もつかなくなり、母との思い出の百貨店で自殺をしようとする男。

ヤクザに追われている元警察官。

家出をしてきて10代の男女。

創業百年祭に乗じて強盗を計画する女性店員。

強盗計画に気が付いた男性社員。

収賄に揺れる百貨店の社長。

百貨店の生き字引といわれる警備員と元百貨店社員の若手警備員。


これらがどこかで関係している面白さ。
結果は、佐々岡という強盗計画に気が付いた男性社員が悪者にされて、おしまいって感じになるだろうって終わり。夜が明けてから、後日談はないけど、すごくいい終わり方。
強盗計画に気が付いたんだけど、こいつが収賄事件の黒幕で、強盗を計画した女性社員を強請って体の関係を迫った。

彼女が計画を立てたのは、不倫関係にあった社長への復讐。計画を立てるために若手警備員に近づくき警備情報を入手。

社長は世襲社長だからこその苦悩あり、不倫はだめだけど会社を何とか立て直そうと頑張ってる。

男女カップルは、収賄事件の贈賄社員の娘と収賄議員の息子。

贈収賄の仲を取り持った確証の保身のためのデータをもっていたのでヤクザに追われていた男。


生き字引警備員の過去と現在の物語がすごくよかった。
彼は戦後の混乱でこの百貨店に預けられて、母は義理の父を助けに家に戻り、行方がわからくなってしまっていた。「必ず戻ってくるから」という母の言葉を信じてか百貨店につとめていて、自殺しようとした男を助けたことで、マスコミ殺到、テレビに映り、それを観た母が駆けつけてくる。

最後に、この仕掛けをもってくるのがよかった。




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