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アンディ・ウィアーのアルテミスを読み終える※ネタバレあり※ [本]

アンディ・ウィアーのアルテミス
火星の人は面白かったんだけれども、アルテミスはなんかそうでもなかった。
主人公のジャズは良い子ではないし、26歳の良い大人が10代後半みたいな感覚で立ち回る。
文章も、落ち着きない口語体。

ジャズの仕事は表向きは運送業。
実際は、密輸品を文通(Eメール通)で知り合った仲間と売りさばいてる。
賢くて器用貧乏。スタイルはすごくよい。


月の都市であるアルテミスの科学的な仕組みの説明は、科学的知識の乏しい私は見事に納得させられてしまうわかりやすい説明。その部分は柔らかい文体で良かった。

犯罪を実行する話だから、軽妙な語り口で描いたのかもしれない。火星の人も絶望的な状況下を軽やかな文体にして希望を与えていた効果があったと思うから、わがまま娘のまま大人になったジャズの言葉で書いたのだろうか。

とにもかくにも、つまらなくはないけど、そんなに面白くもない。
下巻の緊急事態への対処は面白くなってきたし、月面での殺人事件の裏側のミステリー要素はよかった。














ネタバレ。
月面の重力でのみ製作できる電動効率のよいケーブル。
これによって莫大な利益を見込めるようになる。
月面の石を精製してつくられている酸素を供給している会社は、供給の見返りに電力を無料で使用している。
その会社サンチェス・アルミニウムはブラジルギャングが所有。
このままでは、アルテミスはブラジルギャングに支配された都市になってしまう。

アルテミスの管理者は、都市内有数の実業家トロンドと手を組みギャングを追放しようとする。
その方法が、ジャズに精錬所に石を運ぶマシーンをぶっ壊させる。
マシーンが壊れたら石を運べないから酸素つくれなくなる。
酸素作れないなら、都市は電力無償提供できませんと断れる。
そして、酸素をひそかにため込んでいたトロンドが酸素の供給と精錬所の買収を提案。
サンチェス・アルミニウムはマシーンを修理し、酸素の供給までの期間の費用と買収額を比べれば、買収に応じるという算段。

ジャズは、マシーンの破壊に失敗。
ブラジルからギャングが送り込まれてきて、トロンドは殺されてしまう。
彼の資産を受継いだ娘は、ジャズに促され、アルテミスを守るという父親の意思を継ぐ。

今度は、精錬所を機能不全にする作戦実行。
秘密裏に集まった優秀な仲間のおかげで成功。

しかし、精錬所を爆破してしまって酸素供給パイプからアルテミス内にクロロホルムが流入。
都市内の人々が卒倒。

酸素を入れて濃度を下げないといけない。
トロンドが貯めていた酸素をアルテミスに入れて、人々をの意識回復。


そんな話。
トロンドの目的、管理者の狙い、ジャズと父親の関係、殺人犯は誰か。
そんな謎が明かされつつの展開していくミステリー。




火星の人火星の人
アンディ ウィアー,小野田和子

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