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五十嵐貴久の「リフレイン」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

五十嵐貴久のリカシリーズの第6弾「リフレイン」
雨宮リカが看護学生時代の物語。
ここでもリカの唯我独尊がすごい。
計画的に行動して自分が中心になるように仕掛けていく展開もすごい。
その才能はすごいんだけれども、殺人のトリックはどうした?って無理があると言うか、ミステリーではなくてホラー小説だから超人的な能力って事にしていい。それがリカだから。
最後のオチがせつない。まさかの展開に驚きだった。


ネタバレあり


渡海日菜子の看護学校時代の手記と雑誌記者の火災事故の取材を中心に物語が進んでいく。
結論としては、渡海日菜子は火災事故の唯一の生き残りではない。リカは生きている。
そして、渡海日菜子は閉じ込め症候群。視覚、聴覚など意識はあるが体を動かすことができない。
その状態で10年間生きてきた。母親が不規則なまばたきに気が付き、まばたきによって意思疎通を行い手記を書き上げる。担当医に手記を書き上げたら救ってほしいと約束し、安楽死する。
担当医の中原は安楽死裁判の結審後に縊死する。

渡海日菜子が生きていて、中原裁判ってなんだ?と思いつつ読み進めるとこんな結末になる。
リカに抵抗しなかった渡海日菜子だけれども、リカは味方になってくれなかった事も許せない。
リカらしくって良かった。モンスターは常にこうでなくては面白くない。


渡海日菜子は全寮制の青美看護専門学校に入校。
隣室は雨宮リカ。
一年生の載帽式の総代に選ばれた女子生徒が駅で轢死。
リカに好意を持っていた2年の男子生徒二人が喧嘩。1人は刺されて死亡、刺した生徒は逃走時に車に跳ねられ死亡。
寮に男を入れて遊んでいる女子生徒が飛び降り自殺。
成績は優秀だか提携病院での研修の成績は良くない二人の女子生徒が練炭自殺。
提携病院で重篤な病状の患者の人工呼吸器が外れ死亡。
教頭の池谷がエレベーターに挟まれ死亡。

渡海日菜子のクラスメイトの千尋にはリカの出身校と同じ友人が居た。
卒業名簿など見せてもらったが、雨宮リカ、桝本結花の名前はない事を指摘。
成績優秀、実技抜群でクラスメイトの死のたびにクラスをまとめてクラスの中心だったリカの嘘を暴く。孤立するリカ。

渡海日菜子は別の学校に転校する予定だったので、すべてのクラスメイトと距離を取る。
しかし、転校先で実習中のミスで患者が死亡。三か月間の休校になったため2年に進級。

載帽式の日。
目覚めると講堂を見下ろす位置にある窓から外に向けた椅子に座らされている。
燃えさかる講堂からの悲鳴を聞かされ、燃え尽きた講堂を見せられた後、椅子から落とされる。

意識を取り戻したが、声がでない。体が動かない。
閉じ込め症候群となっていた。10年間、意思疎通を図り、母親が気が付いてくれる。それから4年。看護格好での出来事を描き終えた渡海日菜子は安楽死を選択する。



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