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読売新聞 朝刊連載小説「黄色い家」を読み終える [本]

昨日、完結した川上未映子の黄色い家
優しさの正と負の側面を描いている作品だった。
小難しい事は無く、登場人物も少なく、家の中で起きている出来事が中心なのに面白かった。
いつの間にか大きく流れが変わっている主人公の花が気が付いていなかったように気づかなかった。
それほど花に感情入ってしまった。別に似たような境遇の人生を歩んできたわけではないのに。
ちょっとしたきっかけで落っこちてしまう感じが恐ろしかった。


読売新聞 黄色い家:https://www.yomiuri.co.jp/novel/kiroiie/


物語は、主人公の花。
母親がスナックで働いていて、半ば育児放棄。
中学生の時に出会った母の友人の黄美子と過ごした楽しい生活。
突然、いなくなってしまった黄美子と高校生の時に再会。

そして家をでて黄美子とスナックを始める。
そこで出会った蘭、桃子。
彼女たちと4人で暮らし始める。

スナック入居しているビルがが火事で燃えてしまう。
黄美子の昔からの友人の映水は賭博を行っていたらり、犯罪組織とつながりがある。
彼に紹介してもらったヴィヴィと偽造クレジットカードを用いた受け子をするようになる。

蘭、桃子も引き入れて手を広げる。
花はリーダーとして振る舞いはじめるが、変わってしまった人格に桃子が辞めたい。稼いだ金を分けて終わりにしようと言う。

せっかく手に入れた家族を失いたくない気持ち、リーダーとして頑張ってきた私に指示する?おかしいだろ。大喧嘩になる。その後、ヴィヴィと連絡が取れなくなる。

何もできない。警察が来る?何が起こっているのか疑心暗鬼になった花は追い詰められて精神的におかしくなっていく。

そして、黄美子の親友の琴美が死ぬ。
同棲していた男と覚せい剤をやって死亡。
暴力をふるわれていた琴美。助けられなかったのは私のせいだと、さらに自信を追い詰める。

花と黄美子は、無気力になりほぼ寝たきり。

桃子と蘭が解散を申し出る。
「花ちゃんは悪くない。高校生の時に連れてこられてスナックで働かされて、カード詐欺もやらされた。すべて大人のせい。花ちゃんは悪くない。」

2人の言葉をぼんやりきいて、お金を四等分にして二人は先に家をでた。
花は、お金を置いて家を出る。

実家に戻り暮らし始める。
母は再婚しでていってしまった。

花は一人暮らしを始める。
20年後。新聞の記事が目に留まる。
黄美子が若い女性を部屋に監禁し暴力を振るい逮捕されたことをしる。

過去が暴かれるのではないかと不安になると同時に高校生の時に優しく手を差し伸べてくれた黄美子さんに会いたい。

携帯に残っている映水の電話番号にかけてみる。
電話に出た彼に黄美子の居場所を教えてもらう。

花の母と黄美子が務めていた東村山のスナックの二階に居る。
彼女を訪ねて再開。

ぼんやりとした彼女に謝る花。
泣きじゃくる花に「いつでも会えるよ」黄美子

帰りの電車の中、花は昔を思い出し眠る。
終わり。


ずいぶんと抜粋しているけれども、流れはこんな感じだった。
スナック「レモン」での楽しい思い出。消失してからレモンの復活を目指し始めたカード詐欺。
簡単に稼げる悪事に溺れて、目的を忘れていく。狂い始めてからが早い。

思いやりをもった優しが、押しつけがましい優しさへ変化した時、恩を仇で返されたと思い始めた時、人間関係が崩壊する。

家庭的な事に飢えていた花。それを手に入れたと思って、それを守りたくて、一生懸命頑張った。
一方方向の優しさが独善的になり蘭、桃子が離れていく。花に任せきりで何もしない二人も問題大ありなんだけど、そんな人たちだから集まったというのもある。最初から上手くいかない結果になると決まっていたのかな。でも、よく頑張った!花!


今日から木内昇の惣十郎浮世始末
時代小説は苦手だ。



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