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五十嵐貴久の小説「リセット」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

面白かった。
リカシリーズを読んでいるから、あれもこれもリカの仕業だろうと傍若無人に思い通りにならないならば完全犯罪で殺すものだと思って読み進めていったら、最後に。

リセットというタイトルは結花がリカとなるために新たな姓を手に入れた作品なのだろうけど、読み手のイメージをもリセットさせる作品なのだろうか。

次作は、萌香と彼女の祖母とリカが対決するのだろうか。
萌香はリセットの視点になった晃の友達。リカのヤバさを感じ取り転校した。
祖母譲りの特別な能力で彼女の危険を察知。そばにいるだけで破滅をもたらすと晃に忠告していた。

霊能力少女萌香VS超人的体力と精神のリカ
バトル小説になるのだろうか。

165㎝スレンダー美少女という設定のリカ。
日向坂の小坂菜緒さんをイメージしてい読んでいた。
彼女の圧倒的美少女感はすごい。


続きを読むに「リセット」のネタバレあり



シリーズの始まりリカを読んだのはブログを始める前だったようで記事ない。
第二作以降
五十嵐貴久のリターンを読み終える※ネタバレあり※
五十嵐貴久の「リバース」を読み終える※ネタバレあり※
五十嵐貴久の「リハーサル」を読み終える※ネタバレあり※
五十嵐貴久の「リメンバー」を読み終える※ネタバレあり※
五十嵐貴久の「リフレイン」を読み終える※ネタバレあり※




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貴志祐介の秋雨物語を読み終える [本]

梅雨物語に続いて秋雨物語。
この作品もあの世のこの世を間の世界を描いたホラー小説の短編が多い。

餓鬼の田は、結末がなんだ?って感じ。
良い感じの男だと思っていたらおかしな話を初めたけれども、なぜか母性本能で好きになってきたけれども、振り返った瞬間、やっぱりやばい奴だってなる話。

フーグ
これが一番面白かった。
解離性遁走という症状なのか瞬間移動なのか。
それらを阻止すべく霊能者に相談して対策を講じるてく狂気に満ちてく主人公の作家。
行方不明になった彼が残した作品を手掛かりに作家を探す編集者と秘書。
結末が、そこだったかという場所でよかった。
彼の質量と同じ水が残されていたベッド。移動先は彼が愛用していたウォーターベッドだったという結末。

白鳥の歌は、信じられない歌声が録音されたレコード。
それを歌う歌手の物語。神がかった歌声の秘密はせつなく悲しいものだった。
砂漠で感染する病気により声帯が傷つくことによってのみ出せる声だった。
それを調査した黒人男性も感染の兆候が表れる。


こっくりさん
ホラー要素が強いけど、簡単に殺人が起こってしまう安っぽい設定ではある。
こっくりさんの解釈もこっくり往生。急死、頓死。
安楽死を提示するものだった。というオチなんだけれども、殺人者に絶景を見せて「人生とはこの宇宙に産まれた一つの奇跡」って感じの教えでなんでそんな事しちゃったの?と後悔させて、もうこの世のから去ろうと決断させる?って感じのよくわからない。

人殺したんだから、絶望的な死。罰を与えられたらいいのに。
罪を憎んで人を憎まずという価値観が優先されている。



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貴志祐介の梅雨物語を読み終える [本]

久しぶりの貴志祐介作品。
梅雨物語は、3篇の短編集。

皐月闇、ぼくとう奇譚、くさびら

皐月闇は俳句を読み解いていくミステリーだけど、なんだか噛み合わない先生と元生徒。
結末は残酷。やった事も残酷ではあるから死ぬまでそれから逃げる事はできないし、忘れる事もできないし、してはいけない。


ぼくとう奇譚は、日常で使用しない漢字が多くて読みづらい。
その漢字が一番初めて出てきた時は、るびがふってあるのだけれども、一度じゃ覚えられないんだよ。
全部にふってほしかったな。
話は昭和の戦前で、金持ちの道楽が呪いをかけられる。
なぜ呪いをかけられたのか。男の過去が明かされつつ、その状況が例えられているのが大樹に集まる虫の相関関係であるという見事な結末だった。ミステリーとホラーが合わさっている作品。
最近はミステリー小説の印象がつい良い貴志祐介だけれども、黒い家を書いたホラー小説家の過去が蘇った感じが良かった。


くさびらも現在を舞台にしたホラー小説雰囲気のミステリー。
我々は、みな孤独であるに出てきた霊能者の賀茂禮子がでてくる。
それほどの活躍はないんだけれども、最後に出てきてずしっと重みを与えるキャラクター。



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誉田哲也の小説「オムニバス」を読み終える [本]

凄く久しぶりの姫川玲子。
誉田哲也の小説も久しぶりだ。

年上男性部下、年上女性部下、捜査の相方になった若手女性刑事、長い付き合いの年下部下から見た姫川、恋心抱く検事に興味関心を抱く姫川。

長編の姫川シリーズの発売を前に、姫川玲子ってこんな人ですよという紹介する短編小説。
それぞれに事件もあるし、解決もするので楽しめる。

ノーマンズランドで捜査していた事件。
素晴らしい発想の飛躍をする。
時には根回ししないで強引に捜査する。
素直な可愛らしさがある。
強い独立心。
恋する乙女の嫉妬心。

そんな姫川玲子。


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川瀬七緒の小説「スワロウテイルの消失点」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

法医昆虫学の赤堀先生シリーズの第7弾。
警視庁に部署が創設されて認められつつある法医昆虫学。
今作も死体に群がる蟲のグロテスク場面ありだけれども、冒頭に集中。

赤堀先生、岩楯刑事の襲撃されたりの展開。
虫を手掛かりにして犯人に迫っていく赤堀先生と現場検証、聞き込み捜査から犯人に迫っていく。
そんなに虫からの情報が役に立ったという感じではなかったけれども、そっちからだけでも犯人に迫れるんだって事を見せられた。

岩楯刑事の捜査は、嗅覚が鋭すぎる特殊能力の容疑者がでてきたりしたけれども、別々の道を進んでいてそれが交わった時に危機がやって来る展開が良かった。

今作でも赤堀先生の無邪気な様子は面白いし、熱い説教も良かった。
益々魅力増しの赤堀先生。

岩楯刑事の相棒になった所轄の深水刑事。
捜査一課への推薦を岩楯刑事にお願いしていたし、それを受けていたので次作からレギュラーなのかな?でも、捜査一課の刑事同士でコンビを組んで捜査はしないだろうからないか。
過去に2度だったか?メモ魔の刑事さんも良かったけれども、深水刑事も憎たらしいけど憎めない優秀さがあって良かった。


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ジェフリー・ディーヴァーの真夜中の密室を読む※ネタバレあり※ [本]

リンカーン・ライムシリーズの第15作目
真夜中に他人の家に忍び込んで、メッセージを残す。
金品を盗んだり暴行はなし。一体何が目的なのか?

どこでも簡単に解錠しちゃうから、きっとライムの家にもやってくるだろうなと思って読み進める。

そんなライムは小説の冒頭で裁判の証人として出廷。
物証について証言するが、弁護士に言い負かされてしまう。
何という事だ。物証に関して完璧なライムが負けてしまう。
それによって、市長選挙を控えたニューヨーク市長は大激怒で「ライムとの顧問契約を解除しろ!」
顧問契約を解除されてしまって解錠師の捜査には公に参加できなくなってしまう。

だけど、こっそり証拠を二つづつ持ち帰りひとつをライムに提供。
アメリア、メル、セリット―はいつでもライムの味方。

あーだこーだと捜査があって、事件は解決。


ネタバレあり









ライムが裁判に負けたのはおとり捜査。
暗黒街の大物ヴィクトール・ブリヤックにに情報を流していた警察内部の人間をとっ捕まえるためだった。捕まったのは、ブレッド・エヴァンス警視監。内部捜査成功で市長からの信頼回復どころか恩まで売って、捜査で知り合った元警察官で汚職で逮捕歴のあるライル・スペンサーの復職をお願いする。
優秀な捜査官っぽいからきっと今後のシリーズでアメリアと共にアクション分野で活躍してくれるだろう。

解錠師(ロックスミス)の事件で必ず現場に置かれていたウィテカーメディアの新聞の切り抜き。
何か関係あるのかと聞き込みへ行くと、創業社長はメディアを売却、子供との関係悪化で行方不明が判明。

ウェルムという陰謀系動画配信者がロックスミスが逮捕されないのは暗黒政府が存在するからというような何だかわけわからない理由で煽ってる。

このウェルムというのがウィテカーメディア社長の姪。
陰謀論で大儲けできるメディアを売るなんて信じられない!と社長の息子を誘拐。
ロックスミスは陰謀論を煽るウェルムの自宅に殺意を持って忍び込んだが捕まって大金渡されて、ロックスミスは社長の息子キットと警察の捜査を誘導しようとする。

筋書きのラストはキットに親を殺させる。
社長を襲撃し、意識朦朧のキットをつれてきて偽装を開始。
そこへアメリア含めて突入版画やってきて事件は解決。



そんなお話。
こうして書くとなんかごちゃごちゃだけれども、ただ単に私のまとめる力のなさ。
昔のライムシリーズよりすっきりわかりやすくなった印象。
ずいぶんと読みやすくなった。


ロックスミス、ウェルム、ウィテカーメディアが本編。ロックスミスが別の殺人事件の犯人であるのが別件。ブリヤック関連も別件。

ロックスミスはライムの元へやってきた。
ライムに引っかけられて逮捕されてちゃうし、殺人事件の容疑者でもあった。




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高野和明の踏切の幽霊を読み終える※ネタバレあり [本]

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ジェノサイドから11年ぶりの長編「踏切の幽霊」

ホラー小説っぽいけれども、ホラー小説っぽい場面はあるけれども、全体的には幽霊の存在を追う雑誌記者の話なので、ミステリーになるのかな。


年を取ってからニュースで理不尽な悲しい事件、事故を見ると心苦しさが強くなった。
この小説も、幽霊になった女性の素性が明らかになっていく過程で、死ぬほどつらいだろうけれども、懸命に生きていたのにって、読んでいて辛い。

主人公の雑誌記者の松田が、仕事中心の生活で妻と一緒に過ごす時間が少なかったと妻が病死してから、妻は幸せだったのかと自責の念にさいなまれている。その無念を女性の身元を追う原動力にしていて、その力がもらたす結果が良かったって事で終わる。

松田が政治家をぶん殴っても、深夜1時にそいつが死んでも、気持ちは晴れない。
殺されてしまった者が行きかえるわけではないから。

前向きにとらえる事もできる結果ではあるんだろうけど、むなしさを強く大きく感じる結末だった。

日常生活の中に入り込んでいる幽霊、交霊。
その絶妙な加減が素晴らしかった。亡くなった人がこの世から消えてなくなってしまうなんて嫌だ。
自分にとって大切な人は、この世のどこかに居て欲しいと願う。



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奥田英朗の罪の轍を読み終える※ネタバレあり※ [本]

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久しぶりに読んだ誘拐事件を描いた作品。
オリンピックの身代金の奥田英朗で時代はオリンピック直前。

面白くないわけがない。
重厚感と緊張感があって良かった。
犯人は確実にあいつなんだけれども、彼は感情のスイッチを切る事ができる。
どうやって追い詰めるのか。
最初はケチな軽犯罪だった。それがどんどんエスカレートして男児誘拐にまで至ってしまう。
1つの事件が繋がって大きくなっていく。

犯人の子供の頃の境遇は最悪だ。
善悪の判断ができないのは誰の責任なのか?
そんな人間の犯罪の責任は誰にあるのか?

そんな事を考えてしまうタイミングがあったけれども、悪いのはやったやつ。
犯罪を行った奴が悪い。生まれ育った環境、境遇なんて関係ない。
子供の頃から善悪の判断が他の人より緩いからといって許されるものではない。

ベテラン刑事の人情が心を揺さぶり自白させる。
その展開は良かった。

そこで終わらずに逃走から追跡。
面白かった。

犯人は宇野寛治以外に怪しい人物は出てこないのでミステリーではなくサスペンス。
緻密な捜査をする熱い刑事の物語。
小説にも頻繁にでてくるけれども、莫迦な宇野寛治にこれといって動機はない。空き巣は彼が生きるために行える唯一の行為。しかし、優しくしてくれた人のために、金をつくるには空き巣では足りない。じゃぁ黒沢映画で見た誘拐で身代金を奪おう。そんな短絡的動機。そして騒いだ男児を殺害した。

刑事が中心だけれども、山谷の旅館の娘が町井ミキ子が良い。
彼女がいるから善悪のバランスが保たれている。彼女を中心にドラマ化したって面白いんじゃないかと思う。イメージしていたのは二階堂ふみ。



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ジェフリー・ディーヴァーのファイナル・ツイストを読み終える※ネタバレあり※ [本]

ネヴァー・ゲーム、魔の山に続くコルター・ショウが主人公の三部作のラスト。
ファイナル・ツイストでは、ショウの父親が戦っていたブラックブリッジと全面対決。

行方知れずだった兄も登場してきて、魔の山で出会ったヴィクトリアもでてきて活躍するシリーズ最後にふさわしい物語だった。

リンカーン・ライムシリーズと違って、節が細かくありひとつ前の節で振りがあって次節で回収するという小刻みな、どんでん返しってほど大きくない返しがって、それらが積み重なって時に大きなどんでん返しがやってくるという海外ドラマを見ているような展開でいい。



ネタバレあり




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ジェフリー・ディーヴァーの「死亡告示 トラブル・イン・マインドⅡ」を読み終える※ネタバレあり [本]

ジェフリー・ディーヴァーの短編小説
トラブル・イン・マインドⅡのほうが面白かった。

リンカーン・ライムシリーズの短編「死亡告示」もあるけど、それはそんなでもなく。

ニームという負の感情が感染するという不気味なホラー要素のあるオカルト小説「カウンセラー」
テロに使用される疑いがある新兵器について尋問。タイムリミットあり小説「兵器」
父親の秘密を知る「和解」
心中か殺人か。でこぼこコンビが捜査をする「永遠」

あとは人気作家の死の捜査する「プロット」
順不同。

永遠は、分量が多くて短編集のページ半分くらいある。
経済犯罪捜査課・統計業務課の殺人事件の捜査未経験のタルが始めた初めての殺人事件。
彼をコンピューターオタクと馬鹿にしていたリアル犯罪捜査課こと重大犯罪捜査および機動サービス部のラトゥールが協力して名コンビが誕生していく過程を描いていて良かった。
長編に格上げしたっていいコンビだと思う。

最後に明かされる秘密に驚いたのは「和解」
お父さんが殺し屋だったという衝撃。営業マンだと思っていた息子も殺し屋だった。




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ジェフリー・ディーヴァーの「トラブル・イン・マインドⅠ フルスロットル」を読み終える [本]

ジェフリー・ディーヴァーの短編集「トラブル・イン・マインドⅠ フルスロットル」
キャサリン・ダンス、リンカーン・ライムも登場する短編集。
あっさりしていて読みやすいけど、緊張と緩和の連続ではないので少し物足りなさを感じる。
シリーズ作品になっているのは、長編で読みたい。シリーズ化されていない作品の主人公たちが短編に登場ってのがいい。

今作に登場したジョン・ぺラム。
昔読んだのは全然面白くなかった印象なんだけど、今作は面白かった。
筆跡鑑定のパーカー・キンケイド、青い虚構のハッカー、静寂の叫びの交渉人のシリーズも読みたいな。

サッと読み切ってしまえる楽しさがあったのは、30秒。
北京五輪でのテロの実行犯がいかにして警備を潜り抜けていくかをスリリングに描いていた。

それからゲーム。
これはディーヴァーらしいどんでん返しが見事に決まっていた。
殺人事件で犯人が逮捕されて事件は解決したけど遺体が発見されなかった。
遺体を探して欲しいと言う依頼を受けた探偵の話。

結末は、遺体は存在していない。
殺されたと思われた人は生きていたから。
裕福な老女は、近づいてきた親子への不信感が殺されてしまうのではないかと身の危険を感じるほどになっていた。老女の友人に財産を奪う共謀を持ち掛けていた。それを知った老女は、親子が自身を殺した状況証拠を残して消える。死んだと思わせて親子は逮捕される。自身は甥に遺産を相続させて暮らしていた。




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読売新聞 朝刊連載小説「黄色い家」を読み終える [本]

昨日、完結した川上未映子の黄色い家
優しさの正と負の側面を描いている作品だった。
小難しい事は無く、登場人物も少なく、家の中で起きている出来事が中心なのに面白かった。
いつの間にか大きく流れが変わっている主人公の花が気が付いていなかったように気づかなかった。
それほど花に感情入ってしまった。別に似たような境遇の人生を歩んできたわけではないのに。
ちょっとしたきっかけで落っこちてしまう感じが恐ろしかった。


読売新聞 黄色い家:https://www.yomiuri.co.jp/novel/kiroiie/


物語は、主人公の花。
母親がスナックで働いていて、半ば育児放棄。
中学生の時に出会った母の友人の黄美子と過ごした楽しい生活。
突然、いなくなってしまった黄美子と高校生の時に再会。

そして家をでて黄美子とスナックを始める。
そこで出会った蘭、桃子。
彼女たちと4人で暮らし始める。

スナック入居しているビルがが火事で燃えてしまう。
黄美子の昔からの友人の映水は賭博を行っていたらり、犯罪組織とつながりがある。
彼に紹介してもらったヴィヴィと偽造クレジットカードを用いた受け子をするようになる。

蘭、桃子も引き入れて手を広げる。
花はリーダーとして振る舞いはじめるが、変わってしまった人格に桃子が辞めたい。稼いだ金を分けて終わりにしようと言う。

せっかく手に入れた家族を失いたくない気持ち、リーダーとして頑張ってきた私に指示する?おかしいだろ。大喧嘩になる。その後、ヴィヴィと連絡が取れなくなる。

何もできない。警察が来る?何が起こっているのか疑心暗鬼になった花は追い詰められて精神的におかしくなっていく。

そして、黄美子の親友の琴美が死ぬ。
同棲していた男と覚せい剤をやって死亡。
暴力をふるわれていた琴美。助けられなかったのは私のせいだと、さらに自信を追い詰める。

花と黄美子は、無気力になりほぼ寝たきり。

桃子と蘭が解散を申し出る。
「花ちゃんは悪くない。高校生の時に連れてこられてスナックで働かされて、カード詐欺もやらされた。すべて大人のせい。花ちゃんは悪くない。」

2人の言葉をぼんやりきいて、お金を四等分にして二人は先に家をでた。
花は、お金を置いて家を出る。

実家に戻り暮らし始める。
母は再婚しでていってしまった。

花は一人暮らしを始める。
20年後。新聞の記事が目に留まる。
黄美子が若い女性を部屋に監禁し暴力を振るい逮捕されたことをしる。

過去が暴かれるのではないかと不安になると同時に高校生の時に優しく手を差し伸べてくれた黄美子さんに会いたい。

携帯に残っている映水の電話番号にかけてみる。
電話に出た彼に黄美子の居場所を教えてもらう。

花の母と黄美子が務めていた東村山のスナックの二階に居る。
彼女を訪ねて再開。

ぼんやりとした彼女に謝る花。
泣きじゃくる花に「いつでも会えるよ」黄美子

帰りの電車の中、花は昔を思い出し眠る。
終わり。


ずいぶんと抜粋しているけれども、流れはこんな感じだった。
スナック「レモン」での楽しい思い出。消失してからレモンの復活を目指し始めたカード詐欺。
簡単に稼げる悪事に溺れて、目的を忘れていく。狂い始めてからが早い。

思いやりをもった優しが、押しつけがましい優しさへ変化した時、恩を仇で返されたと思い始めた時、人間関係が崩壊する。

家庭的な事に飢えていた花。それを手に入れたと思って、それを守りたくて、一生懸命頑張った。
一方方向の優しさが独善的になり蘭、桃子が離れていく。花に任せきりで何もしない二人も問題大ありなんだけど、そんな人たちだから集まったというのもある。最初から上手くいかない結果になると決まっていたのかな。でも、よく頑張った!花!


今日から木内昇の惣十郎浮世始末
時代小説は苦手だ。



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ジェフリー・ディーヴァーの小説「魔の山」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

ジェフリー・ディーヴァーの小説「魔の山」
懸賞金ハンターのコルター・ショウが主人公のシリーズ第二弾。
第一弾は「ネヴァー・ゲーム」
父親の秘密という伏線が今作の最期で明かされて第三弾はそれがメインの話になるっぽい。

どんでん返しのディーヴァーではあるけれども、今作はわかりやすい。
ひとつ出来事が起こると実はこうだったという種明かしがすぐにでてくるので読みやすい。

警察ではないので捜査して犯人を追い詰めていくってわけでもない。
犯人がいるわけでもなく、カルト教団をどうやって追い詰めていくのか潜入し破壊工作する物語。

読みやすい活劇。

関連記事:ジェフリー・ディーヴァーのネヴァー・ゲームを読み終える※ネタバレあり※


333ページに誤植があった。
オアシス財団ではなくてオシリス財団の間違いじゃないかな。


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アンディ・ウィアーの小説「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

火星の人が大変面白かった作家アンディ・ウィアーの作品。
アルテミスはあまり面白くなかったからこれはどうかと思って読み始めたら面白い。
めちゃくちゃ面白い。火星の人のような困難を不屈の闘志でポジティブに乗り切ってく展開はテンポがよくて良い。

宇宙船、実験装置の筐体の形のイメージは科学実験は中学の理科室で終わっている身には、すこし困難な部分はあったけれども、そんな事は微々たるものでぐいぐいと物語が引っ張ってくれる。

宇宙で目覚めたから記憶が曖昧。
時間経過、実験をすると記憶がよみがえってきて、そこへ至る地球での物語が明かされる。
過去と現在、地球と宇宙の話が交互にでてくる面白い仕掛け。

そして上巻の最期の出来事が驚きで下巻に続く。








ネタバレあり



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川瀬七緒の「紅のアンデッド」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

法医昆虫学捜査官シリーズの第6弾「紅のアンデッド」
今作は、食べ物と昆虫、動物を絡めた食品添加物について記載されている箇所があるのだけれども、物語にはそんなに関係ない部分で気持ち悪くなる。とはいえ、法律の範囲内だから大丈夫だろうし、子供の頃から何度も食べてきているのだから今更仕方ない。そのものの形をしていたら無理だろうけど、見た目からはわからないのだから大丈夫だ。

抹茶風味に作るのにつかわれている銅クロロフィルという材料が蚕沙という蚕の排泄物から取り出したものであったとしても、ゼリービーンズなどに使われている香料カストリウムがビーバーの肛門近くからとれる分泌物だとしても。

今作では、赤堀は警視庁の組織である捜査分析支援センターに所属している。
そこにはプロファイラーの広澤と鑑定技術研究開発の波多野も所属していて、赤堀的なキャラが2人増えて、次作以降の独自路線と捜査一課の対立が激しくなっていくのだろうか。

それから赤堀の過去が岩楯に明かされる。
突発的に岩楯に語ってしまったのだけれども、それによって二人の関係が微妙に変化していくような気がする。

相変わらず虫が跳ね飛びまわる。
最後の虫が飛び出してくる展開は脳内で映像化したら、しばらくトライポフォビア(集合体恐怖症)になってしまう。



ネタバレあり



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五十嵐貴久の「リフレイン」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

五十嵐貴久のリカシリーズの第6弾「リフレイン」
雨宮リカが看護学生時代の物語。
ここでもリカの唯我独尊がすごい。
計画的に行動して自分が中心になるように仕掛けていく展開もすごい。
その才能はすごいんだけれども、殺人のトリックはどうした?って無理があると言うか、ミステリーではなくてホラー小説だから超人的な能力って事にしていい。それがリカだから。
最後のオチがせつない。まさかの展開に驚きだった。


ネタバレあり


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ピエール・ルメートルの「僕が死んだあの森」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

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「その女アレックス」で日本で人気作家の仲間入りしたフランス人作家ピエール・ルメートル。
僕が死んだあの森ってなんだか不気味なタイトルだけれども、森から必死に逃れようともがく青年の物語。

ネタバレあり




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五十嵐貴久の「波濤の城」を読み終える [本]

五十嵐貴久の波濤の城
炎の塔に続く銀座第一消防署の消防士、神谷夏美が主人公の小説。

炎の塔は映画「タワーリングインフェルノ」のオマージュで今作は映画「ポセイドンアドベンチャー」のオマージュ作品。

消防士が活躍して最後は最悪の結末ってことにはなることはない。
そんな衝撃的結末を迎えることはなく、最後まで諦めることなく奮闘する神谷夏美と上司の柳雅代が熱くカッコいい。

豪華客船に乗船した経験がないので、船のつくり、イメージがつかめない部分があったけれども、特に最後のほうの救命艇の設置にかんしてよくわからないけれども、話の勢いがすごいので問題なし。

神谷夏美シリーズは三部作で「命の砦」がラスト。

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ジェフリー・ディーヴァーの小説「オクトーバー・リスト」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

ジェフリー・ディーヴァーの小説「オクトーバー・リスト」
リンカーン・ライムシリーズではない作品だけれども面白かった。

話は結末からはじまって時間が戻っていく形式で書かれているのだけれども、結末が最後にきているからその事件のきっかけが何だったのか?というラストを迎える。

結末が書かれている最初がドキドキの乱入の場面からだったので、時間がさかのぼって最後に冒頭の乱入後が描かれないと、消化不良で終わってしまうんじゃないかと思い読み進めると、当然、そんな事にはならずにしっかりと冒頭に結末が描かれていた。

上手い。
巧みな仕掛けに驚かされた作品だった。


ネタバレあり




ネタバレあり

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角田光代の読売新聞の朝刊小説 タラント」を読み終える [本]

第359回まで続いた読売新聞の朝刊小説「タラント」
角田光代の小説を読むのは初めてだったのだけれども、戦中戦後、主人公のみのりの学生時代、出版社時代、ケーキ屋時代と時間がまじりあっていて、ちょっと混乱。毎日読んでいるからだろうけれども、一気に読めばきっとそんな事もなく面白いだろう。

前半は、ボランティア活動で助けてあげると助けるの違い。そんな事が前半のテーマで、その中で自分の行動理由がよくわからなくなって、同情、共感することが怖くなるけど、怜、ムーミン、麦の会は活動続けてる。どうしていいのかわからないみのり。

完全にみのりの気持ちに共感した。その中で強い意志を持ってやることを良い意味で気楽に行える明るい性格、使命感に憧れた。

怜が事件に巻き込まれ、ムーミンの事故死。
実家へ帰省し心をいやすみのみが出会ったパラリンピック。祖父の過去。

そこから、題名のタラントという昔々の通貨でタレント(才能、能力)という言葉に繋がっていく。才能ってなんだろうか?というもの。人それぞれ、誰と比べる事もなく、自分ができることをやればいい。

最後は新型コロナウイルスが蔓延する現在に至り、今日の東京オリンピック2020を迎える日に終わる。よい終わり方だった。


読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/novel/taranto
タラント挿絵展 https://www.yomiuri.co.jp/s/ims/kiuchitatsuro/


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