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角田光代の読売新聞の朝刊小説 タラント」を読み終える [本]

第359回まで続いた読売新聞の朝刊小説「タラント」
角田光代の小説を読むのは初めてだったのだけれども、戦中戦後、主人公のみのりの学生時代、出版社時代、ケーキ屋時代と時間がまじりあっていて、ちょっと混乱。毎日読んでいるからだろうけれども、一気に読めばきっとそんな事もなく面白いだろう。

前半は、ボランティア活動で助けてあげると助けるの違い。そんな事が前半のテーマで、その中で自分の行動理由がよくわからなくなって、同情、共感することが怖くなるけど、怜、ムーミン、麦の会は活動続けてる。どうしていいのかわからないみのり。

完全にみのりの気持ちに共感した。その中で強い意志を持ってやることを良い意味で気楽に行える明るい性格、使命感に憧れた。

怜が事件に巻き込まれ、ムーミンの事故死。
実家へ帰省し心をいやすみのみが出会ったパラリンピック。祖父の過去。

そこから、題名のタラントという昔々の通貨でタレント(才能、能力)という言葉に繋がっていく。才能ってなんだろうか?というもの。人それぞれ、誰と比べる事もなく、自分ができることをやればいい。

最後は新型コロナウイルスが蔓延する現在に至り、今日の東京オリンピック2020を迎える日に終わる。よい終わり方だった。


読売新聞 https://www.yomiuri.co.jp/novel/taranto
タラント挿絵展 https://www.yomiuri.co.jp/s/ims/kiuchitatsuro/


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五十嵐貴久の「リメンバー」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

五十嵐貴久のリカから始まるシリーズ。
リメンバーはリカに心理感染させられてしまったんじゃないの?って感じの展開。
雨宮リカはついに貞子のような呪いの存在になってしまった。

連続殺人事件の犯人は、そうきたかって展開があって良かった。
雨宮リカ事件については知らなくっても問題なし。

最終ページに作者は、読む順番として「リカ」→「リターン」→「リバース」→「リハーサル」→「リメンバー」で読むとより楽しめると書いている。

五十嵐貴久の「リターン」を読み終える※ネタバレあり※
五十嵐貴久の「リバース」を読み終える※ネタバレあり※
五十嵐貴久の「リハーサル」を読み終える※ネタバレあり※

リカを読んだときは、ブログをやっていなかった。





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ジェフリー・ディーヴァーのネヴァー・ゲームを読み終える※ネタバレあり※ [本]

どんでん返しのジェフリー・ディーヴァーのネヴァー・ゲーム。
リンカーン・ライム、キャサリン・ダンスに続いてシリーズ化される懸賞金ハンターのコルター・ショウが主人公。

沈んでいく船内の女性を救出するために尽力するショウから始まり、そこに至る経緯を書いていって、救出できたのか?って展開。

捜査機関に所属しているわけではなく、単独で動いたり、捜査機関に協力したりで、自由度が高いので正攻法ではないやり方もしたりするし、そんなワイルドな男に惹かれる女とのやり取りもあったりする。ショウが犯人追跡に猪突猛進って感じ。
つまらなくはなかったけれども、科学捜査を基にして犯人に迫り、先回りするライムやダンスのシリーズのほうが犯人との直接的ではないけれども、攻防があるから好きだ。





ネタバレあり


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貴志祐介の「我々は、みな孤独である」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

ニンテンドースイッチを買って遊んでいると本を読む時間を奪われてしまってなかなか読書が進まない。
この作品はなんだか頭が痛くなる雰囲気だったのが原因だろうけれども、時間は無限ではなく有限だかあ使い方を考えなきゃならない。

さて、貴志祐介の「我々は、みな孤独である」は久しぶりの長編。
最初はわくわくしながら読んでいたけれども、中盤から反社会的勢力との抗争が激化してグロテスクな展開になっていく。血みどろの描写に加えて前世、輪廻転生の話が加わって頭が痛くなってくる。深淵に触れて精神崩壊していく感じになるやばい小説なんじゃないかと思う。


ネタバレあり





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五十嵐貴久の「贖い 上下」を読み終える [本]

五十嵐貴久の「贖い」
東京、埼玉、愛知で発生した三件の殺人事件。
警視庁、埼玉県警、愛知県警のそれぞれの事件捜査が短い章でテンポよく展開していく。
刑事の人間ドラマもあるんだけれども、しつこい。
主役の警視庁刑事の星野がさらっとた淡々としているんだけれども、粘着質な言動にイライラ。
真逆の性質が同居している性格だからこそ、たどり着けた真相って感じではあるんだけれども、容疑者へのしつこさ、繰り返しに読んでるほうもイライラ、飽き飽きしてくる。

刑事捜査ってのは基本的にそうゆうものなのだろう。
地道な捜査が道を切り開く。

ネタバレあり






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川瀬七緒の女學生奇譚を読み終える※ネタバレあり※ [本]

法医昆虫学シリーズで人気の川瀬七緒の「女學生奇譚」は本の帯に、警告 この本を読んではいけない。とある。

ストーリーは、この本を読んではいけないと警告のある古い本を調査することになったフリーライターとカメラマン、兄が所有していた本を持ち込んだ女性の話。

不気味な話でホラー小説っぽくあり、サスペンスっぽくあり面白かった。
フリーライターの八坂の一卵性双生児の弟は獄中にいるし、その辺の話も含めてフリーライター八坂の物語はシリーズがあってもいいんじゃないかな。

ネタバレあり


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貴志祐介の罪人の選択を読み終える [本]

貴志祐介の短編小説「罪人の選択」
・夜の記憶
・呪文
・罪人の選択
・赤い雨


最初の夜の記憶が、なんだか意味不明というか読みにくい癖が強いSFであまり面白くなくって、他の作品は大丈夫か心配になったけれども、大丈夫だった。

呪文、赤い雨は長編にしたっていいんじゃないかって作品だし、呪文は新世界よりに発展したらしい設定があって良い。
赤い雨も設定、雰囲気がすごくよい。荒廃した未来SF作品にありがちな階級社会。その原因を追究する医師は頭脳でのし上がった優秀な人で、彼女が地球と自らが育った社会を変えるために奮闘する。
この二つは動植物の細かい設定に、設備、機器の細かさもしっかりのSF作品。

題名の罪人の選択だけSF作品ではない。罪を犯す奴は罰を受ける運命にあるって作品。
戦後まもなくと、1964年東京五輪開幕の二つの時代が交差して描かれていて、それぞれの罪人の選択する思考が面白い。




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読売新聞の朝刊小説「ばあさんは15歳」を読み終える [本]

読売新聞の朝刊に連載されている阿川佐和子の「ばあさんは15歳」

東京タワーのエレベーターに乗ったらばあさんが15歳の時代にタイムスリップしてしまう話。
コロナ渦の現在から数年後まで描かれていたけれども、あの部分はなくても良かったんじゃないかな。
時代にあわせて先延ばししたのだろうけれども、ばあさんとせっちゃんの件が解決して終わりでよかったと思う。そのほうが、すっきり円満解決って感じがする。

とくに凝った表現もなく、すごく読みやすい文章だった。
シンプルなタイムスリップではあるけれども、昭和の温かみが伝わってくる雰囲気がよかった。
平成が温かくないってわけではないんだろうけれども、良い意味でいろいろと雑だった良さがあった。

もう少しタイトルにある15歳のばあさんとの交流があっても良かったのに。
昭和の時代で、15歳のばあさんとせっちゃんとたか坊の関係を菜緒がいじくりまわしたり。


明日からは、角田光代の「タラント」
代表作といっても過言ではない「八日目の蝉」も読売新聞の連載小説だったから大いに期待してもいいだろう。


ばあさんは15歳:https://www.yomiuri.co.jp/novel/basann




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真保裕一の「おまえの罪を自白しろ」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

誘拐小説が好きだし、真保裕一は誘拐の果実という良い誘拐小説を書いているのでこれも面白いんじゃないかと思って読んだけれども、そんな事はなく。

政治家の駆け引きが中心で面白くない。
誘拐要素はほぼないというか、時限装置としての役割だけで誘拐された少女がかわいそうなだけ。

誘拐犯を当てるのは無理。


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「パードレはもういない」を読みえ終える※ネタばれあり※ [本]

サンドローネ・ダツィエーリの「パードレはそこにいる」からはじまる三部作の完結「パードレはもういない」を読み終える。

なんだか話が入り組んでいてわからない。
結果的に、こいつが犯人だったのかと意外な人物がでてくるのだけれども、それだとじゃぁあいつはなんだったんだ?と読み返せば、ちゃんと辻津あってるんだろうけれども、なんだかしっくりこない感じ。







ネタばれあり

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セバスチャン・フィツェックのサイコブレイカーを読み終える※ネタばれあり※ [本]

雪で閉ざされた病院。緊急事態のためのシャッターを下ろしてしまって開けるためのパスワードは死んでしまった院長と意識喪失している女性医師のみ。そんな密室で殺人鬼サイコブレイカーから逃げて戦う物語。
主人公の男も記憶喪失でサイコブレイカーの仲間なんじゃないのか?と疑われながら、蘇ってくる記憶。

面白い感じの設定だったんだけれども、読みにくいなと感じたのは、私が催眠術に懐疑的な考えを持っているからだろうか。
それからサイコブレイカーが仕掛けてくる「なぞなぞ」
もっとホラーっぽくてもいいのに、これが不釣り合い。


本は心理実験に参加した学生が、サイコブレイカー事件のカルテを読むという形式。
催眠は、文章を読むだけでかけることができるのかという実験で、催眠を解くには「なぞなぞ」の答えが必要。

問題「私を必要とするなら、私を投げ捨てて。私をもう必要としないなら、連れ帰って」

本を読み終えて催眠状態になってしまったら、このなぞなぞの答えを誰かに言ってもらおう。





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ジェフリー・ディーヴァーのカッティング・エッジを読み終える※ネタばれあり※ [本]

ジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズ「カッティング・エッジ
ダイヤモンドに関する殺人事件の捜査をするけれども、毎度のごとくその裏にある真犯人がでてくるどんでん返し。それがひとつではないのが今作品。

ライムシリーズでは定番だったホワイトボードに書かれた証拠一覧がなくなっていた。
あれは毎度読み飛ばしていたのでなくなっても問題なかった。

ネタばれあり





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ピエール・ルメートルの「わが母なるロージー」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

ピエール・ルメートルの「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「傷だらけのカミーユ」に登場したカミーユ・ヴェルーヴェンの物語。

各章は時間で細かく切ってあって、テンポよく読みやすい。
時限爆弾の制限時間に追われつつ、犯人と交渉というシンプルな展開ながらスピード感があって良かった。



話は、「その女アレックス」と「傷だらけのカミーユ」の間。
パリで爆発事件発生。
首謀者が警察に自首してくるが、男はカミーユとしか話さないと告げる。
ある事件で有名になっていた警察官だから。

男は第2次世界大戦時の不発弾を7発、一日おきに爆発するように仕掛けた。
母親を釈放し、400万ユーロとオーストラリア行きのチケットを用意しろと要求。

ネタバレあり

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トマス・ハリスのカリ・モーラを読み終える※ネタバレあり※ [本]

トマス・ハリスといえばハンニバル・レクター博士が登場するシリーズで有名だけれども、ハンニバルライジングから13年の間を空けて新作「カリ・モーラ」

全然、面白くない。
ハンニバルのイメージで読んだからだろうけれども、物語の濃密さ、重厚感もない。
本の帯には、ハンニバルよりも異常な猟奇殺人者、羊たちの沈黙を超える美貌ヒロインと書かれているけれども、ハンニバルは猟奇殺人者ではあるけれども哲学、美学を持ち合わせていたから異常だけど、不思議な魅力があったけど、この作品の猟奇殺人者ハンス・ペーター・シュナイダーはただの私利私欲の快楽的殺人者。

そうゆういみではハンニバルより猟奇殺人者ではあるんだけれども、魅力が足りない。
殺人者に魅力を求めるのは間違っているかもしれないけれども。

美貌のヒロインは、それほど美貌について書かれている事もない。
男たちが恋い焦がれる場面はあるけれども、女だったら誰だっていいだろって感じの男たち。
今一つ魅力が伝わってこない。

全キャラクターに魅力がたりない。


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川瀬七緒の「法医昆虫学捜査官 潮騒のアニマ」を読み終える [本]

法医昆虫学捜査官シリーズは、今作で第5弾
今作品では、伊豆諸島の神の出島に伝わる因習も絡めてあって、川瀬七緒の「よろずのことに気をつけよ」とまではいかないけれども、じめっとした雰囲気があってよかった。

よろずのことに気をつけよは、暗号を解き明かしていく展開が面白かったし、古文書探偵って感じでシリーズ作品にできると思うけど、第2弾読みたいな。

さて、法医昆虫学捜査官潮騒のアニマ。
あいかわらずの赤堀教授の根明な無邪気さがいい。
昆虫からなかなか迫っていけずに苦戦するけれども、真相に迫りすぎてしまって危機一髪。
警察官は捜査するときは二人一組で行動するのだから、彼女にも警察組織の人間をひとりつけた方がいいんじゃないかと思う。






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五十嵐貴久の「リハーサル」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

五十嵐貴久の「リカ」から始まるホラー小説シリーズ。
前作「リバース」でリカの幼少期を描き、今作では看護師となった「リカ」が暴走する話。
暴走するのは毎度の事なんだけれども、リカの好意が周囲には悪意で、徐々に知らず知らずの間に、なんとかなるだろと余裕ぶってたらいつの間にか取り返しのつかない状況になってしまっている不気味な展開。





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ジョン・ヴァードンの「数字を一つ思い浮かべろ」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

数字を一つ思い浮かべろ

タイトルが面白そうだったので読んだけれども、まわりくどい夫婦の会話が退屈。
思った事を全部口にしたら夫婦生活は破たんしてしまうし、どちらかが我慢をすることが大事なんだろうけれども、それならそんなに夫婦のやりとり出さなくてもいいのにと思うけれども、鋭い観察眼の妻が夫の事件に関する話から、謎解きのきっかけを与えるから会話が無いと物語は進まない。


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横山秀夫の「ノースライト」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

横山秀夫「ノースライト」
警察小説の印象が強い横山秀夫だけれども、今作は建築士のミステリー。

そんなに謎の答えもしっくりこないというか、言いにくい事ではあっても、そんな回りくどいやり方をしなくてもいいんじゃないかなとも思うから、やっぱり警察小説というか、重厚な濃厚なドラマがあった方がいい。

主人公の青瀬に情熱が今一つたりない。
あることをきっかけに、熱くなってくるのだけれども、それまでの過程が家庭を喪失してしまった惰性が強く感じられたから、謎を解いてく事の熱さが足りない。

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五十嵐貴久の炎の塔を読み終える※ネタバレあり※ [本]

五十嵐貴久の炎の塔
彼は、映画をリメイクした小説を他にも発表しているけれども、この小説も映画「タワーリング・インフェルノ」のリメイク。

地上100階の超高層ビルの完成披露の日に火災発生するパニック小説。
面白かった。

超高層だから消防車による火災はできない。
ヘリコプターで上から消防士を入れる、タワー内のお客を避難させるのも、強風により困難。
漏電による火災のため、電力を切ってしまっているので、消防士は階段で上階へ。
客は階段で降りなければならない。

しかし、燃え広がる炎で非常階段は寸断され、降りる事も上ることも困難な状況。

困難に困難が重なって、絶望的な状況に追い込まれていく。
どうすんの?ビルが倒壊して終わりってことはないだろうから、起死回生の一手があるのか?と読み進めていくとあった。

困難を増幅させるための振りだと思っていた話が、その伏線が状況を打破する決めてだった。





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ジェフリー・ディーヴァーの「ブラック・スクリーム」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

リンカーン・ライムシリーズ。
今回はイタリアを舞台に犯人を追う。

イタリアに来たのは、アメリカで発生した誘拐事件の容疑者の犯行ににた事件が発生したから。
グリーンランドへ結婚と旅行を計画していたけれども、イタリアに変更。

イタリアでは警察官としての資格はないので、アドバイザー。
ライム、サックス、トムがイタリアへ。

イタリアの刑事たちのイメージはクリミナルマインドで読んでいた。


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