珊瑚色ラプソディ (集英社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1990/04/17
  • メディア: 文庫



岡嶋二人の作品「珊瑚色ラプソディ」
山本山シリーズほどではないけれども、鍵かっこによる会話でどんどんと話が進んでいく展開。
オーストラリアから帰国して結婚式を挙げる予定だったのだけれども、帰国直後に婚約者が、沖縄旅行で盲腸の手術を受けたことを知る。

沖縄へ駆けつけると、彼女は記憶が曖昧。
さて、いったい彼女になにがあったのか?

という物語なのだけど、ひとつの事件を難しく絡ませて、魅力的な解き方をしていくミステリーは今回も健在。
1989年の刊行なので、ちょっと時代を感じさせる設定。岡嶋作品は時代を感じさせない部分があるけれども、この作品は時代を感じさせた。
女性が男性の三歩後ろを歩くみたいな控えめなキャラクターだったから。
特に、女性の母親が「嫁入り前なんだから」みたいな言葉が、時代を感じさせた。
そんな貞操観念がある時代のほうがいいんだろうけど。
いや、少子化だから、できちゃった結婚でも歓迎するべきなのか。



ネタバレあり