恐怖のストーカー女「リカ」シリーズの最終章というか、リカの幼少期の話。
読みにくかった。リカの家に家政婦としてやってきた長野の田園地帯で育った純粋な18歳の女の子が、郷里に住む父親代わりの神父へ送る手紙の形式で書かれている。
年代がちゃんと書かれていないけれども、危篤と知らせるのに電報が利用されているから、かなり昔なのかな。大卒初任給の件があったけど、どこに書かれていたのかわかんなくなってしまったから、その辺から調べればちゃんとわかりそうではある。
ネタバレあり
雨宮リカは双子の姉妹。
姉の梨花と妹の結花。
女王様気質の梨花と控えめで大人しい結花。
父は、医師で浮気性。
母は、神経質で夫の浮気にイライラを募らせるが、世間体を気にして娘たちに怒りをぶつけてしまう。
この母がいるから、化け物のリカが誕生してしまったと言っても過言ではない。
この家に勤める家政婦が突如失踪。
後任の幸子の神父への手紙形式で話がつづられるのだけれども、幸子は~から始まる文章が、幸子の純粋さがバカバカしくなる時もあり、読みずらさがある。
でも、幸せな家庭の中は、実はそんなことはなかった。
ちょっと違和感があるはじまりから、それが崩れていく展開は面白い。
神父危篤でいったん長野に帰郷。
容体が安静になり再び雨宮家へ。
戻ってきたら、父がひき逃げされてていた。
母は怪しげな女とつきあき、質素な生活、人格に。
帰郷前に失踪していた姉妹にピアノを教えていた女性講師の失踪は未解決のまま。
彼女と付き合ってきた、姉妹の家庭教師は失踪を調べていて、どうやら不倫関係から事件に巻き込まれた。
それが姉妹の父であり、周囲を探っていた女が母ではないか。
雨宮家の周囲で動物の死体があいついで見つかる。
そんな不気味な展開もいよいよ結末。
ずいぶん端折って書いているけれども、母の過剰なしつけと称した虐待あり、幸子の体を触ろうとする梨花、家庭教師に恋をして独占しようとする梨花、それを羨ましげに見る結花、家庭教師のアパート全焼で死亡。
雨宮家の庭の花壇の手入れをしたときに見つけた骨。
失踪してしまったペットの犬のもと混同してある、大きな骨。
取り出した時に母に声をかけられる幸子。
リビングへ戻り、なぜか普通に会話をする幸子。
気分が悪くなりもどしてしまったのに、そのままの手で過去を告白し涙する母を慰める。
異常な展開。
幸子は警察へ行き、故郷へ帰ろうと自室にもどり荷物の整理。
部屋を出ようとしたときに、バスルームに母が血まみれで倒れている。奥を見るともうひとり女の子が倒れている。
急いで部屋をでようとする幸子。
足が動かない。アキレス腱を切られ。
倒れた幸子を刺す女。
エピローグで、神父が雨宮家を訪れる。
呼び鈴を押しでてきたのは女。
神父は手紙から推測し、結花であると考えるが、女は「私はリカよ」と答える。
梨花に憧れつつも、母と梨花にしいたげられてきた結花。
自分が力を手に入れる。女王の梨花になる。
抑えきれない衝動を、ペット、近所の野良猫にぶつけ、とうとう母と姉と家政婦へ。
さらに、神父も。
終わり。
不気味な話でホラー小説らしいホラー小説。
読み終えると手紙形式の方が、感情が一方向から読み込めるので良かったのかなとも思う。
ただ書き方が読みづらいのが難点。
タイトルのリバース REBIRTH
結花が梨花に生まれ変わるって意味だった。