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五十嵐貴久の「交渉人 籠城」を読む [本]


交渉人・籠城 / 五十嵐 貴久


五十嵐貴久は好きな作家のひとり。
だけど、全部読んでるわけではない。

好きな作家は、でてるの全部読破したくなるんだけど、彼の作品はアクション系が好き。
アクション系っていうのは、アクション映画っぽい作品ってこと。
TVJ、交渉人、交渉人 遠野麻衣子最後の事件、FAKE、誘拐。

もちろん、ホラー小説のリカも面白かったし、パパとムスメの七日間も面白かったけど、いろんなジャンルを書ける作家なんだけど、アクション系以外のよさと比べちゃうとちょっと・・・って感じ。

続きを読むには、ネタバレあり。さて、「交渉人 籠城」だけど、テーマは少年法。
だけど、少年法の問題点を重たく、取り組んでる感じはあんまりない。
その辺は、貫井徳郎の「空白の叫び」、真保裕一「繋がれた明日」とかのほうが、きちんとテーマとして取り上げている印象。

だけど、遠野麻衣子の交渉人はシリーズはアクション系だから、現場の緊張感とか臨場感を楽しむ作品だから、少年法のテーマは、そーだよなぁって共感程度でいい。共感程度でそこから深く考えるのは、個々人です。

読んで思うのは、少年法は間違ってる。
犯罪は犯罪。年齢、性別などは関係ない。
加害者が守られて、被害者は年齢、性別など報じられる不平等は解消されるべき。
少年を守るなら、同じくらい被害者も守らないといけない。

となると、少年犯罪を報じるのは非常に困難になる。
世の中から少年犯罪がなくなった、激減したと思われることになってしまう。
そうすると、汚いものは見せないってことになって、悪がはびこってくるのかな??

現実、少年法で守られる人たちは、世の中に見られることはないのだから、すでに悪がはびこっているのかな。


ここからは小説の中身について。

小幡の役を演じた柳原巡査がナイフで襲われたのは驚いた。
なにかあるんじゃないかと思っていたら、耳を切り取られたのが籠城犯の妻で、救出されたと思わせといて、刺し殺そうとした。そんなラストだったのだけど、警察はどーして正面突破しなかったのかな。

ファミレスを改装した喫茶店。
駐車場に面して大きなガラス窓がある。
籠城犯人はひとり。
窓をぶち破って強行突入って手もあったと思うんだよな。
人質が3人に減った段階でならいけたんじゃないのか?

裏口から突入しようとしたら、監視カメラがあり、犯人にばれる。
さらに、犯人は裏口を破壊しても、建設会社の設計図にはのっていない、自分で設置したもうひとつのドアがあると交渉人に伝え、それを突破する間に人質を殺すと脅す。

表にもカメラがあって監視していたのか?
その確認をするためにも、正面から近づいてみればよかったのに。
犯人は、理性的で精神状態は終盤まで安定していたのだから。

そんな事を思ったけど、遠野麻衣子の交渉が中心で、犯人とのやりとりが中心の「交渉小説」である。


個人的にナンバー1の交渉小説はジェフリー・ディーヴァーの「静寂の叫び








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