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岡嶋二人の「どんなに上手に隠れても」※トリックネタバレあり [本]

このところはまっている作家「岡嶋二人
二人はすでにコンビ解散してしまっているんだけど、昔の人気バンドが再結成みたいな感じで再結成してもらえないかな。

さて、今回読んだのは「どんなに上手に隠れても」





最初から良いテンポで物語が展開していく。
身代金の受け渡しは、携帯電話のない時代で、今より不便な時代だから、その回りくどさみたいなのが、逆に良い味出してる。今だったら、プリペイド携帯でも郵送してそこに連絡とか、誘拐した人間の持ってる携帯を使用してかけたりするんだろうけど、喫茶店に電話して店員が、「芸夢プロの方いますか?」みたいなのが、被害者と犯人の間に無関係の人間が入ってくる事が、犯罪が世間に入り込んでいて臨場感があっていい。

誘拐たアイドルの事務所に身代金一億円の要求があって、彼女が出演しているCMのカメラメーカーが一億円を用意。誘拐を利用して自社製品を宣伝しちゃえ!って思惑。

一億円の受け渡し、警察追跡、アイドルの解放。
そして、一億円を入れた段ボール箱を開封すると、消えた一億円。

いつ、どーやって、一億円は引き抜かれたのか?
このトリックはほぉーって感じ。

ネタバレあり。一億円の引き抜きトリックは、段ボールを運送会社へ持って行かせて名古屋へ郵送中のトラックの中ですりかえる。このトリックは、犯行後に捨てられた木箱ですぐに警察が推測。
木箱を捨てたのは、トラックの中で行なわれた。それを中心に捜査させるため。

犯人は、トラックの中での積み替えは、暗いし、積み込まれた荷物の中から段ボールを探し出す困難さを考えれば、積み込むときに犯人一味が係わっていたと推測させるのを遅らせるため。

それからたぶん、証拠を多く残すことで捜査範囲を拡散させるってのもあると思う。

なかなか優れた犯人なんだけど、犯人一味だ!となったときのアリバイトリックがしょぼい。
犯人は、アイドルが出演している酒造メーカーのCMを作った広告代理店。

台湾旅行していたと、警察はアリバイを掴みスルー。
だけど、一味はみんなで台湾へ行ったんだけど、数人が帰国。
誘拐実行し台湾へ出国。
みんなで帰国。

入出国記録ってもっと厳密にしてるんじゃないの?
そのくらい簡単に調べられそうなのに。ちゃんと調べれば、短期間の入出国は不審なわけで、事件は警察の力だけで解決したはず。

だけど、この物語は警察捜査中心ではなく、宣伝部、アイドルを助けたいマネージャーの三つの物語であって、助かったアイドルが、宣伝に利用されマスコミに利用され翻弄され傷ついた彼女の助けの話であるわけだから、それでいいんだと思う。



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