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海堂尊の「ブレイズメス1990」を読了 [本]






海堂尊のチーム・バチスタの栄光からはじまった桜宮市の東城大学を舞台の作品の時間をさかのぼった作品。
バチスタ以前の東城大学の作品は「ブラックペアン1988」「ジェネラルルージュの伝説」「光の剣」があるけど、その中で、ブラックペアン1988に登場した世良医師を追いかけた作品。

世良医師は「極北クレイマー」に病院再生請負人で登場し病院長になったはずだったので、世良シリーズはこれからも出てくる予定なのかな。
現在の世良は、極北市にいるけど、ブレイズメス、ブラックペアンで彼と良い仲の看護師の花房は、ジェネラルと一緒に極北大学へ行ったから、再会、三角関係的なものもあったりするのか。

さて、今作品では世良はモンテカルロの外科医の天城に振り回されながらも、医師って医療ってなんだろう。って考える。


この先、ラストシーンについて触れているので注意が必要。ミステリーはないけれども、儲からなければ医療じゃない。無償奉仕の精神で医者なんてやってられない。
儲ける、儲かる技術を手に入れてこそ、医者も患者も救われていく。

そんな天城の考えに納得。

市民に尽くすのが医師の務めという考えも捨てがたいけれども、医師が潰れたら医療は潰れてしまうわけだから、金銭的な負担は誰がするのかってのが難しいところなんだろうな。

バブル期の日本で、浮かれて何も変えようとしない、変える必要なんて感じられないのは当たり前なんだけど、常に理想はなんであるのかを考え目指す。目指せるときは儲かっているときしかないんだ。
残念な結果になってしまって長い長い日本国へのバカだったんだなぁもったいなかったんだなぁって伝わってきた。

そんなバブル期なのに、純愛な感じの世良と花房の関係が愛らしい。とはいえ、ホテルで一夜を過ごすんだけど、その過程がバブル期ってもっとみんな浮かれて軽いんじゃないの?ってイメージと離れていた。
どーだったんだ?バブル期の一般的な恋愛は。

天城が佐伯に命じられて設立を打ち立てた「スリジエ・ハートセンター」は、結局設立されなかったんだな。
作品の中では、2年後設立でひとりめの患者も決定していると書かれていたけど。
その後の海堂の作品にはスリジエ・ハートセンターはでてこない。

その代わりに、アドリアネの弾丸でアーアイセンターが設立される。
スリジエ・ハートセンターと似たような外観で。

天城を快く思っていなかった高階が、その後に天城の思想を受け入れ、彼の理想のハートセンターではないけど、高階が死因不明社会を医療によって変える。
医療から国家の仕組みを変えるという天城の意志を受け継いだのかな。

天城のその後が気になる。
きっとそのうちでてくるだろう。

でてくるといえば、チーム・バチスタの栄光の天才外科医の桐生が、天城の公開手術後に会いに来て「日本では世界的技術を身につけられないのか?」的なことを言う。
そんなカメオ出演も海堂作品の楽しいところだ。









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