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ジャック・カーリイの「毒蛇の園」を読み終える。※ネタバレあり※ [本]






ジャック・カーリイのカーソン・ライダーシリーズの三番目の作品だけど、四番目のブラッド・ブラザーから読み始めたので、どーせなら逆から読んでいこうってことで三番目の「毒蛇の園」

ブラッド・ブラザーにでてきたカーソンの相棒ハリー・ノーチラス。
彼とのコンビで捜査が進むのだけど、似た雰囲気のキャラクターではあるのだけど、カーソンのほうが精神的に鋭敏で繊細。ハリーは兄貴っぽくちょいとしっかりした感じ。

最初の事件の前ふりをちゃんと処理しているのはいいけれども、説明不足だなと思う部分もある。
それは、本を開いて4ページ、5ページにある主な登場人物にもでてくる「ルーカス」の行動。
彼はこの話の鍵であると思うのだけど、彼の行動が説明しきれていない。良い感じで都合よくあつかわれているのだけど、その部分の説明がちゃんとあると、もっとキンキャノン一族に関する部分に深みが出て、話全体にも良い影響を与えたんじゃないかなって思う。

ネタバレあり



結果としては、精神的に破たんしそうだったのはルーカスではなかった。
精神科医のルドルニックは、バック・キンキャノンを観察していて、彼の行動がいつか大きな破壊を生み出すのではないかと心配していた。それをルーカスの精神状態が危険であるかのように描かれているミステリー。

ルーカスはキンキャノン兄弟によって、優秀すぎるから兄弟は遺産を含めてコントロールされてしまうことを恐れて、精神障害があると彼らの母親に信じ込ませて、ルーカスを屋敷に拘束していた。
その屋敷にはほかにも、キンキャノン兄弟で生まれつき障害がある人たちが住んでいる、キンキャノンファミリーの父親も。だけど、父親は精神的にまいってなんていなくって、優秀なルーカスをキンキャノン一族の跡を継ぐものとして、崩壊しそうなバックへ向けて解き放ったのだろうな。

終盤の話の盛り上がりとしては、ブラッド・ブラザーのほうが強かった。
バックに捕まったカーソンが、数日間生かされているのが違和感があったから。捜査状況を聞き出さなくっても、警察内部のシャトルズを利用してある程度入手していたのだろうし、カーソンは事故に見せかけて行方不明にすることにほぼ成功していたんだから。

メディア支配をして寄付などの慈善事業をしているからって、やりたい放題できるものなのかなって思う部分もあるんだけど、アメリカってできちゃいそうな感じがある。
土地が広いから都市部はまだしも、地方都市であればテキサスチェーンソー、蝋人形の館みたいなこともありそうな感じがしちゃう。欧米人が日本にはまだ侍、忍者がいると思っているように、私はアメリカにそんなイメージがある。

ひとつの殺人事件が、モービルに住むキンキャノンという裕福な一族につながっていく話は面白かった。
ローガンという退職せまる警官が、きっと買収されているんだろうなと思わせといて、実は勘の鋭い、最新の科学捜査、心理学捜査とか知らないけれども、積み重ねた刑事の勘と人脈で、ハリーを助けた部分はよかった。ハリーと対立していただけに、良い味だしてた。

病理学者のクレアとカーソンが恋仲になっていくのだけど、クレアの悲しい出来事にカーソンが助けたというような話だったのだけど、二人の過去になにがあったのか、二番目の作品「デス・コレクターズ」を読めばわかるのかな。

キンキャノン一族は、ケネディ家をモデルにしているとあとがきに書かれていたけど、ローズマリーケネディについて検索したら、なかなか興味深かった。事実は小説より奇なりもあるんだろうな。




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