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ジャック・カーリイの「デス・コレクターズ」を読み終える※ネタバレあり※ [本]






ジャック・カーリイは4作品が翻訳されている。
そんな彼の作品を読み終えたのは3作品目。ブラッド・ブラザーを読んで、好みだったので出版順序を差が昇りながら読んでいるのだけど、彼の第二作目の「デス・コレクターズ」の帯には、【本格ミステリ作家クラブ主催、海外優秀本格ミステリ顕彰・最優秀作 ゼロ年代海外本格ミステリ第1位】とある。

たしかに、読んだことのあるジャック・カーリイの中で群を抜いて面白かった。
今読んでいる処女作の「百番目の男」はこれを越えるかな!?オープニングの解剖死体に爆弾が仕掛けられていて爆発するというのは、挑戦的な犯人との駆け引きが面白そうではある。

彼の作品は、ちりばめられたものが、ひとつにまとまるのでネタばらしのために、順番に書いていくと大変だから、犯人のネタバレだけ。

以下、ネタバレあり






騙された。
犯人は女であろうことは、推測できる。
犯人候補は二名。犯人ってのは警察から近すぎず遠すぎずの灯台下暗しで、被害者であろう立場を装っているのかと思っていたから、へクスキャンプのファミリーだったカーラだと思ってたのだけど、リディアだった。

コイルは、犯人として捜査されているけど、ミステリなんだから違う。コイルの秘書のリディアも近いから違うだろうと思っていたんだけどな。

リディアが犯人だとすっきりする部分もあるんだけど、カーソンを監禁して殺す一歩手前までいかなくってもいいのに。捜査の手が届いてきそうだから、邪魔になるから殺してしまえ!というのも無理がある。
カーソンを殺した直後に、へクスキャンプのアートで商売をして大金を持ち逃げしようとしているんだから。リディアに迫ってきているのはカーソンだけではなく警察であるわけで、彼だけ殺したって意味がない。

社会病室者は、一つの事に固執して、それを達成するためにはほかの事をほったらかしにして、純粋な集中量を見せるらしいから、カーソンだけをターゲットにするのも変じゃないってことなのかな。

30年前の殺人事件のカリスマ画家のへクスキャンプの裁判の場面から、フランスへいって事件解決までスムーズにながれる。
ほかの作品でも思ったけど、これはひとつにまとまるのか?と思うくらい話が見えてこない。ちょっとづつ見えてきているけど、余計に絡まる。

トレイ・フォリエの存在が見事だった。彼の存在があったからこそのトリックだし、最終的に良いキャラクターになる。残念なのは、へクスキャンプを刑事を引退した後も追っていたウィロウが死んでしまうこと。リディアと相打ちということなんだけど、彼は生きていてほしかったな。


事件の展開も気になるんだけど、主人公のカーソンも作品ごとに新恋人出現も見逃せない。
今作では、第1作で恋に落ちたと思われるアヴァが突然去ってしまい、犬猿の仲だったダンベリーとフランス旅行で恋仲に。第3作の毒蛇の園で、ダンベリーの浮気発覚で破局して、検視局ののクレアと恋に落ちる。
だけど、第四作のブラッド・ブラザーでニューヨーク出張のカーソンは、アリス・フォルジャー警部補と一夜を過ごす。クレアとは別れている描写はなかったと思うから、第5作があるとすればカーソンが恋人の浮気には怒り、自分の浮気は肯定するのか素直に謝って許しを請うのか、でもカーソンは許してほしいと訴えたダンベリーを拒絶したから、どーする!?カーソン。

別にカーソンの恋の話はなくっても成立する物語なんだけど、別れと出会いを書かれてくると次も期待しちゃう。





百番目の男 (文春文庫)

百番目の男 (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 文庫



デス・コレクターズ (文春文庫)

デス・コレクターズ (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫



毒蛇の園 (文春文庫)

毒蛇の園 (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/08/04
  • メディア: 文庫



ブラッド・ブラザー (文春文庫)

ブラッド・ブラザー (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/09/02
  • メディア: 文庫



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