乾くるみの「六つの手掛り」を読み終える [本]
お正月にブックオフへ行って、なんとなく気に入って購入。
乾くるみは、イニシエーションラブしか読んだことがなかったけれども、この作品は本格ミステリー。
イニシエーションラブはミステリーなのか恋愛小説の中間というか、混ぜ混ぜした結果のラストを迎えて、よくできているなぁと感心した記憶がある。
さて、「六つの手掛り」
六篇からなる短編小説。
六つの玉
五つのプレゼント
四枚のカード
三通の手紙
二枚舌の掛軸
一巻の終わり
数字がひとつずつ減っていくのだけど、最後の1ページにその意味がある。
証拠を積み重ねていくというより、動機、犯行可能な条件、状況を潰していって最後に残った人が犯人。
表紙のチャップリンのような男が、謎解きをする大道芸人のコーディネーターの林茶父
英語だと「茶父 林」となるから、「チャップリン」と読める。
そんな名前の由来。
とにかく、彼の独壇場。
喋る喋る。捜査している警察相手に持論を展開して謎解きしていく。
一気の展開の短編なので読みやすい。
犯人はあなただ!って感じで謎解きが終わって、犯人の反論がないのでなんか物足りない部分はあるけれども、短編だからその方がいいのかな。
6編の中で一番よかったのは、4枚のカード
なぜ犯人が、殺したのか?動機はあきらかにはならないけれども、密室状況下でダイイングメッセージを使ったトリックを解いていく展開には、ほぉーとうなる。
映像ではなく文章だからこそできるミステリーという小説だった。
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