SSブログ

貴志祐介の新世界より 上・下 [本]

貴志祐介著「新世界より」

面白かった。
人間って、どんなに進化しても人間だな。

ネタバレあり。



新世界より 上

新世界より 上

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/01/24
  • メディア: 単行本





新世界より 下

新世界より 下

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/01/24
  • メディア: 単行本


よくできた世界。
秩序を維持するための社会システム、進化した生態系、荒廃した東京など作りこまれた完全な世界だった。
ただ、大人からの管理する側の視点が最後に描かれてもよかったんじゃないかなって思う。

子供の頃に社会の成り立ち、記憶をすりかえてまで行なう残酷なシステム(これは残酷ではなく不安定な心を安定させる意味があるとは思うけど。)に気がついて、大きくなって社会を管理する立場になって、それをどのように理解し、実行するのか。

知らなくてもいい部分、一部が知っていればいい部分ってあると思うし、ある程度の管理は必要だと思う。
ただ、管理しきれないときに排除してしまう。
そこが恐ろしいんだけど、かといって排除しなかった場合の対処の仕方がないのも現実で、じゃぁどーする?ってなったら、わが身、家族の安全を優先してしまうのは人間の残酷な一面としてあると思う。

神のような人間。
人間のようなバケネズミ。

どちらも人間っぽいから、どっちにも感情移住できてしまう。
結果的に、どちらも人間なのだけど。

だからバケネズミが悪い奴だと、嫌いになれなかったんだな。
人間の身勝手さ残虐性が、現代人への戒めになっているのかな。
バケネズミのどんな手段を用いても世界を手にするテロ活動が、現代人への戒めになっているのかな。

それにしても、呪力を持った人間はどーして肉体の治癒能力を高めなかったのだろうか。
大きな力を持った人間って、「不老不死」を目指すイメージあるけど、そうしなかったのは、悪鬼になってしまった時に対抗できなくなってしまうからなのだろうけど、それなら既死機構を一時的に解除する呪力を評議会のメンバー全員で選ばれた人間にかける事によって、対抗するって方法もあったんじゃないのか。

青春、冒険、恋愛、戦い、なんて書いたらいいのか、わかんなくなっちゃうほどどいろいろ詰まった作品。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0