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岡嶋二人「あした天気にしておくれ」読了。 [本]


競馬のお話なのだけど、競馬の知識はないのだけど面白かった。
てか競馬の知識はあった方がいいのかもしれないけど、現在の競馬の仕組みではないそうだ。
馬券、オッズのリアルタイム表示とかが違うそうで、現在の形になる以前の仕組みだからこそ可能であった犯罪。

トリック成立後に、謎を解き明かした主人公たちにもう1つの仕掛けがまっているという展開。
蹴っ飛ばした靴が、どーなるのか。
天気にするために奔走するのだけど、予想外の展開になってしまって、「しておくれ」との願いがこもる。

そんな「あした天気にしておくれ」

ネタバレあり




あした天気にしておくれ (講談社文庫)

あした天気にしておくれ (講談社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1986/08/08
  • メディア: 文庫




トリックのネタばらし。
脅迫者は、土曜日の朝の第一レースに人気のない馬の馬券を買えと支持。
その金額は、2億円。

土曜日の朝は人も少ないし、合計掛け金も少ないし、圧倒的に弱い、1着2着になる可能性が極めて低い馬を探しやすい。

そんな理由で2億円の複合馬券を買わせる。
レースは終り、買わせた弱い馬は着外。

そんな馬に2億円の掛け金がつぎこまれているので、それ以外の馬のオッズはかなり高い。
本命、対抗馬なのに、倍率が10倍以上。

当時の競馬場の仕組みでは、複合馬券というのは集計結果のオッズがレース後に表示されていたので、本命馬のオッズがとんでもなく高い数字であると知れるのはレース後。

なので、複合馬券を買わせることで、異常なオッズになっていることが犯人と被害者にしかわからない。

犯人は、2億円をかけさせた馬以外の馬券を全部購入。
勝つ可能性の高い馬から順番に金額を調整して。

それにより2億円の身代金は奪えなかったが、馬券によって1億円ちょっとの額を手に入れる。


そんなトリックなのだけど、そこにいたる過程もいい。
馬の骨折をなかったことにしようと馬が誘拐されたとするんだけど、その誘拐の前に誘拐の痕跡が残されていることを刑事がつきとめる。
そしたら「あんたら狂言誘拐だろ?」てきな脅迫状が送られてくる。
そしてトリックが行なわれて、脅迫者は誰だ?ってなって一枚の写真から南雲という男が犯人であるとわかる。

南雲も骨折させてしまった有名馬の引渡しに偽の馬を渡していて、その馬を誘拐しようとしていた。
そしたらその馬が骨折して、薬殺されて狂言誘拐に発展していたことを、誘拐の下見中に、こっそり立ち聞きしてしまう。

だから狂言誘拐を利用と計画。

しかし、身代金を奪うトリックをつかうことは知らなかった。
身代金を奪い去ることを考えたのは、南雲の計画を主導していた藤原という男。
彼がトリックを実行。

それを知った主人公の朝倉と南雲は藤原と会う約束をしていた篠塚の元へ行くと藤原と鉢合わせて、道路に飛び出した藤原が交通事故に。

一命を取り留めたて3日後。
面会すると、単独行動を素直に謝罪。

朝倉と南雲と藤原は、狂言誘拐、脅迫の罪をかぶりたくない思いで一致団結。
証拠となりえる馬券の処理をしようとするが、藤原が一歩先に妻に駅のコインロッカーから紙袋をもってきてくれと頼んでいた。

3日間ほったらかしのコインロッカーは駅員が開錠して中身を確める。
開錠して開封すると一部換金していた大金。
警察に連絡。

紙袋の中から馬券もみつかり、警察はコインロッカーにやってきて駅員に確認をした藤原の妻を待つ。

終り。

こんな感じの物語なのだけど、やっぱり岡嶋二人ってすごいんだな。
文章が読みやすいし、テンポの良く展開して展開して展開する。
ぜひ、読み継ぎたいミステリー作家だ。

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