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岡嶋二人のダブルダウンを読み終える※ネタバレあり※ [本]


ダブルダウン (講談社文庫)

ダブルダウン (講談社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/01
  • メディア: 文庫



岡嶋二人は、すでに22年前に引退している(引退というかコンビ解消)作家なので、ブックオフにもそれほど作品数が揃っていない。
そうじゃない書店にもあるのは99%の誘拐、クライの壺などはあるけど、全部揃ってるのはネットの書店くらいなもんだと思う。

そんな中、ブックオフで見つけた「ダブルダウン」
やっぱり面白かった。

謎が提示されて解決かと思いきや、どーもすっきりしない部分が残る。直後に次の謎と鍵が提示されて、どの謎の鍵がどれなのかがぐちゃぐちゃになって、これはちゃんと解決するのか?
曖昧な解決にはならないで、ちゃんと繋がって納得させるのを過去に何冊も岡嶋作品を読んでいるかわ分ってはいるけど不安になる展開。

だけれども、やっぱり岡嶋。
ちゃんとすっきりさせてしまった。謎の答えだけ読めば、なんてことないというか、簡単に説明できちゃうんだけど、それを縛って包んでぐちゃぐちゃにして見せてく物語は凄いな。

テンポが速いし、会話をベースに進んでいくので読みやすい。
しっかりとした重みのあるミステリーを軽く読ませる天才だ。

ネタバレあり
まさかの犯人が八田。
事件を調べていた側だったとは。登場人物から考えて、まったく別のところから出てくるなんて事はないだろうとは思っていたけれども、八田はけっこうな良い人として登場していたし、事件解決にも協力的だったからまさかだった。

彼も殺人の証拠を消すという解決を目指していたから、そーゆう意味で調べに協力して、麻沙美と中江を利用していたのだろうな。

ボクシングの試合中に青酸化合物でリング上のボクサーが死んだという展開から、死んだボクサーから借りていたBMWで自転車に乗っていた男をはねて殺してしまって、死体をBMWのトランクに乗せて処理しようとしていたら、BWWを車泥棒されてしまった。その遺体を捜すためにBMWを借りたボクサーとその恋人を殺害。

そこに、BMWを奪った男たちが、ボクサーが死んだことはニュースで知っているけど、その恋人まで殺されていることはわからず、恋人を強請るというのが絡んでくる。

すごいな。
よくもこんなに展開させる。
事件を書いて、逆に展開して、関係ない事件を作り上げて書いていくのかな。
二転三転どころではない、面白さがある。


岡嶋二人のボクシングが取り上げられている小説には、「タイトルマッチ(http://zakki-nikki.blog.so-net.ne.jp/2010-09-15)」というのもあるけど、それも面白い。




タイトルマッチ (講談社文庫)

タイトルマッチ (講談社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/12/06
  • メディア: 文庫



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