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五十嵐貴久のリターンを読み終える※ネタバレあり※ [本]

10年前に発刊された「リカ」の続編で、10年後の話。
リカを読んだのは10年前だったで、記憶はおぼろげではあったけれども、異様に細くて体臭がすごいというのと、としまえんが出てきたことくらいだったけれども、10年前のリカにつては捜査会議で取り上げられるので、読んでいなくても大丈夫。

ネタバレあり




リカが、10年間拉致監禁して過ごしていた本田を遺棄するところから話が始まる。

10年前のリカ事件を担当していた刑事の菅原
彼を師事していたコールドケース捜査班梅本尚美。彼女はリカ事件を追い続けていて、リカ事件で人格が崩壊してしまった菅原の月一の見舞いも欠かさずに行っていた。

リカについての捜査がはじまるが、行方がつかめないのは10年後も同じ。

同僚の青木孝子は、捜査三課の刑事奥山と交際している。
リカを追っていた奥山は、リカと接触に成功。本田を捨てたリカは次の相手を求めて10年前と同じように出会い系サイトを利用するだろうと推測し、リカと出会うことに成功するが、殺されてしまう。

目、耳、鼻、口を切り裂かれ、首を切断されて。

連絡が取れない奥山のマンションを青木と梅本が訪れ死体を発見。
青木がこっそり奥山の携帯電話を持ち出し、メールなどをコピー。
携帯は翌日捜査会議の席で、提出するが、コピーしたリカとの連絡メールアドレスへ、本田を名乗りメールを送信。

本田と暮らした10年で、彼の死を受け入れたくないリカは、青木、梅本の誘いにのり高円寺駅にやってくる。
しかし、一枚上手のリカは下り電車でやってきてホームの違和感に気が付き、高円寺を過ぎから上り電車に乗り換えて、梅本が張り込んでいた場所に近い車両からは下りずに存在だけを知らせて、梅本を乗車させる。

捕まってしまう梅本。
椅子にしばりつけられ、本田の居所を聞かれるが死んだとしか答えようがない。
それを信じないリカは、梅本の右目をくり抜く。

そこへ、青木が部屋に突入してくる。
梅本の携帯のGPSを追ってくるが、リカが途中で梅本鞄を捨てているので到着遅れる。
リカに銃弾を合計12発、そのうち顔面に6発でリカ死亡。

菅原のもとへ事件の報告へいく梅本。
菅原への気持ちが、刑事としての師事ではなくて愛情があることに気が付き。
親類が引き取ることになっていた菅原を引き取ると申し出る。
彼を抱きしめて「愛してるわ」



リカと本田の10年間の一途すぎる愛情と自信と菅原の10年間と重なり合って、ミイラ取りがミイラになる結末がホラー小説らしくって素晴らしい。
冒頭は淡々とした文章で、なんだか味気ない感じがした。無駄がないだけスピード感があって読みやすい。後半はそんなこともないのだけれども、リカの濃厚さがでてくる部分から気味悪さが加味されてきてよかった。梅本拷問のシーンも気持ち悪いし。

最後のシーンが目をくりぬかれて眼帯している170㎝の女刑事が精神崩壊して、肉体だけで抜け殻になってしまった中年を抱きしめるシーンは映像化したらおっかないだろう。

高円寺駅での刑事をホームに配置の仕方がお粗末すぎる印象だし、リカを撃った拳銃をどこで受け取ったのか、警察小説としてはお粗末な印象ではあるけれども、これはホラー小説だからこの際どーでもいいとは思う。

でも、菅原、奥山のことを、菅原刑事、奥山刑事と表記するのは変な感じがした。
わざわざ刑事とつけなくてもいいんじゃないのかな。



リカ (幻冬舎文庫)

リカ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2003/10/10
  • メディア: 文庫



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