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誉田哲也の「感染遊戯」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

誉田哲也の感染遊戯は、姫川シリーズのスピンオフ作品。
姫川も登場して、ガンテツこと勝俣とのやりとりが、近い感性だけれども犬猿の仲って感じが良かった。

短編小説で、最初の三話の事件が最後の話で関係性が暴かれる。
なので、四話ある中では最後の「推定有罪」が一番よい。とはいえ、これだけ読んでも面白くないので、最初から読んだ方がいいと思う。

ネタバレあり

話としては、官僚に制裁を加えたいと思っていた男が、官僚、元官僚の住所氏名などをネットで公表。
情報は、管理者があつめたものではなくて、管理者が集めたいと思っている情報をサイトで呼びかけて集める。
それをまとめたサイトがアンマスク

この管理者の男は、大学生時代に交際していた彼女が非加熱製剤でHIV感染。
外務省でアルバイトをしていて、官僚の愛人にと誘われていたがなびかず。するとその官僚にHIV感染を言いふらされて自殺。

管理者は、当時、製薬会社に勤務。
厚生省事務次官の息子の同僚に、分の父親が非加熱製剤の危険性を知りながら流通させて逮捕されるかもしれないと聞かされる。

その事実を、自殺してしまった彼女の父親に伝える。
父親は、事務次官を殺そうとするが、誤って息子の方を殺してしまう。

管理者は、悪意を助長することで、大きな立ち向かうことができる。国民を騙し搾取する官僚機構にダメージをあたるにはこれしかないと決意してサイトを運営しはじめる。

官僚への憎悪はわからなくもない。
だけど、なんか違う。政治家と違って、選挙によって国民に選ばれているわけでもないから、そこへダメージを与えるには政治家にお任せするしかないのだけれども、政治家が頼りないからテロ行為でぶっ壊すしかないのか。


結末は、管理者はサイトを通じて情報を得て、殺された元官僚の息子に殺されてしまう。
管理者は、他人の恨みを公開したのだから、自分への恨みも公開するということで、自身のデータをサイトに載せた。

恨みが恨みを産む。
テロの応報は歯止めが効かなくなる。
そんな終わり方がよかった。

結局、どこかで誰かが我慢してこらえるしかないんだろうけれども、そんな聖人にはなれない。
他人が悪だと思ってることが、自分には正義であれば実行しちゃう。
なかなか答えが出せないけれども、暴力行為は良くない。
これも自分に降りかかっていないからの思考であって、やりきれない思いが勝るとどうなるかはわからないな。

姫川が警視庁捜査一課に復帰していた。
小説「インビジブルレイン」の事件後に池袋署へ移動になり小説「ブルーマーダー」があった後の設定。

これまでは姫川のイメージは松下奈緒っぽい美形モデル女性だったけれども、ドラマ化、映画化でイメージは固定化されて今作読んでる時の姫川は竹内結子だったし、勝俣は、武田鉄矢。
葉山は小出恵介で、倉田は杉本哲太。




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