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長岡弘樹の「陽だまりの偽り」を読み終える※ネタバレあり※ [本]


陽だまりの偽り (双葉文庫 な 30-1)

陽だまりの偽り (双葉文庫 な 30-1)

  • 作者: 長岡 弘樹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2008/08/07
  • メディア: 文庫



教場を読んで好きなった作家 長岡弘樹
全5編からなる短編集

ネタバレありどの作品もほんのり心温まる感じでいい。
個人的に良かったのは、「写心」

小説のジャンルで「誘拐」が好きなのだけれども、この作品も誘拐物。
ただ、警察はでてこないし、誘拐された男児の母親が「身代金払うから息子を返さないでください。」ってなことをいう予想外すぎる展開で進んでいく。

結果としては、夫と離婚して母子家庭。
息子は足に障害があり、失意が重なり育てる自信を喪失していた母親が、そんなことを言ったのだけれども、誘拐犯であり写真館の店主である男は誘拐計画中で母と息子の行動確認をしているときに撮った写真に写った子供への愛情に満ちた笑顔。
それを息子を返すときに、渡して自信を取り戻させるって話。

良く考えれば無責任、身勝手な大人に振り回されてしまう子供がかわいそうすぎるんだけれども、自分でも気が付かない内にある感情をとらえる写真の良さ、気が付いたときに一声掛けて上げる人とのつながりを伝えて上げる大事さが良かった。


それ以外にも、「淡い青の中に」
交通事故の隠ぺいを使用とする母と息子の話。
不仲な親子関係が、不幸な事故を隠ぺいで回復していく不思議な話。
結末は、事故の被害者だと思われていた男は、親子の家に空き巣に入っていた泥棒だった。


「重い扉が」
不良に絡まれた息子と友達
事件現場のすぐ横を通り過ぎたにも関わらず通り過ぎてしまった父親
加害者と思われる男が警察に同行され、面通しに行かなければならないが、自営業の店内の防犯カメラの映像確認できる部屋に閉じこもり出てなくなった息子。その理由は?

この作品もよかった。
お爺ちゃんとの交通事故により怪我を負ってしまい野球ができなくなった息子の過去にも絡めての真相がよかった。
父親はテーブルの湯飲みを落としたり、店内で棚にぶつかったりしていた。息子は父は片目の視力が落ちているのではないか。だから暴行の時に見えなかったのではないかと思い、店内の防犯カメラを確認し視力が落ちているであろうことを確認していた。

心温まる結末でよかった。











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