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ジャック・カーリイの「百番目の男」を読み終える※ネタバレあり※ [本]


百番目の男 (文春文庫)

百番目の男 (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/04/01
  • メディア: 文庫





ジャック・カーリイ作品制覇。
だぶん、四作品しか翻訳はされていないはず。

この作品は、最初のカーソン・ライダーシリーズであるけれども、一番面白かった。
最後の真相が「えー」っと驚き、失望する人もいるのだろうけど、私は好き。
今までにない解釈っぽくていい。斬新さに感心。

まずは、その真相のネタばらしなので続きを読むときは注意してください。



デス・コレクターズ (文春文庫)

デス・コレクターズ (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/12/01
  • メディア: 文庫





毒蛇の園 (文春文庫)

毒蛇の園 (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/08/04
  • メディア: 文庫





ブラッド・ブラザー (文春文庫)

ブラッド・ブラザー (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/09/02
  • メディア: 文庫


首なしの死体に書かれていた文字が意味するもの。
それは、音。

文字に意味はない。
口に出して読んだ時に、意味がでてくる。

連続殺人犯だった、検死局事務局長のウィル・リンディ。
三番目の死体の背中だったと思うけど、「ウィル・イット・・・リトル・インディ」と書かれている。
これを発音してウィル、リトルからトルをとってリンディになるというものなのだけど、これはちょっと強引。
リトルからトルを取るって、リトルなんだからリを取らないと。英文を日本語にするからその辺の翻訳は困難なのかもしれないけれども、犯人の名前を入れなくっても、もう少し別のアイデアで迫ってもよかったんじゃないかと思う。対案は思い浮かばないけれども。

それからもう一つ。
一番と二番の死体の陰毛上部に小さな文字。
こっちの解釈が面白かった。
三番目の死体と同じで文字に意味わない。小さな文字を読ませるために顔を陰部に近づけなければならない。検死では、死体の状態を音声で録音するので、書かれている文字を読む。
その時の口の動きが、陰部を愛撫しているように見える。
それが犯人の目的だった。


文字に意味がなくて、それを解釈するための行動に意味があるというのは新しくってよかった。


それから、犯人の行動が描かれているのもよかった。
表現は意味不明なのだけど、それがリンディの過去をしる幼少期のソーシャルワーカーみたいな人の証言ではっきりしてくる。
ページをめくったら犯人がでてきて、こいつだったのか!という驚きではなかったけれども、ディーヴァー的な犯人の表現があってよかった。もう少し犯行の様子も描いてよかったんじゃないかな。


作品ごとに別れと出会いをしてきたカーソン。
第一作なので、別れはなくって出会い。アヴァという病理学者で、犯人を虐待していた母親に似ていたということで、復讐のターゲットにされてしまうのだけど、作中であんなにカーソンが尽くしてくれていたのに、彼を振って街を去ってしまうなんて、ひどい。
とてつもない恐怖体験をした街から離れたいのはわかるけど、アルコール中毒から救ってくれて、失職の危機も救ってくれたんだから、もう少し優しくしてあげてもいいんじゃないのかな。
ということで、第四作のブラッド・ブラザーでカーソンがニューヨーク出張で、知り合うアリス・フォルジャー警部補が一番いい女性。だけど、カーソンには第三作で恋が始まったアヴァの上司のクレアがいるのに。

カーソンの兄のジェレミー。
彼はカーソンの体を火であぶることで、捜査に協力をするのだけど、この作品以降はそれがなくなったし、その要求もない。カーソンのジェレミーの関係の変化はどーしてだろう。
シリーズものだから、もう少し描いてもいいんじゃないかと思うけど、第五作で書いても仕方ないな。

第五作は、どーなることやら。

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