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岡嶋二人の「七年目の脅迫状」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

未読の岡嶋二人の作品も残りわずかになってきた。
私が生まれて間もないころの作品だけど面白い。新しければ良いってもんじゃないんだな。
携帯電話がない時代だけれども、ないからこその擦れ違いから生まれる感情も良いな。

岡嶋作品は、謎が解ければすっきりだけど、そこまでバラバラ。
それがミステリーの常識ではあるのだろうけど、今作は七年前の事件の謎と現在の事件の謎が絡み合っている作品。

ネタバレあり


七年目の脅迫状 (講談社文庫)

七年目の脅迫状 (講談社文庫)

  • 作者: 岡嶋 二人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1986/06
  • メディア: 文庫








犯人から書いてしまうが、芹沼課長。
彼が犯人だったのだけど、なんか怪しいなと思う部分があったけど、八坂が競馬会の理事であり義理の父である江田川への説明に、同席させた時点でそれなら違うかと思ってしまったけど、やっぱり犯人だった。

八坂は警察ではなくて競馬会の人間だから、理事から警察が同席することを聞いていたのか、自ら提案したのか書いてはいなかったけど、金田一少年の事件簿みたいだった。

見合い相手の堀佳都子が保険の調査課所属で北海道で出会ったり、偶然にしてはできずぎじゃないかと思う部分はあったけど、そうでもしないと七年前の事件が融けていけないから仕方ないのかな。

ぐいぐいと進んでいく展開に、ついていくのがやっとだった。


七年前、保険代理店の猿沢を殺してしまった芹沼。
七年後、届いた脅迫状。
自分をゆすっている花岡を見つけ出すために、七年前と同じ事件を起こす。

七年前、鎌田獣医を殺してた諸岡。
七年後、同様の事件が発生。七年前の殺人が明らかになってしまうかもしれない。
犯人が誰なのかを探りはじめる。

芹沼を強請っていたのは、花岡ではなくてタクシー運転手の大橋。
七年前、芹沼を猿沢の代理店へ送り、直後に猿沢が行方時らずになり、代理店を壊したときに遺体が発見され、芹沼をゆする。

七年前の事件の真相は誰も知らなかった。
それぞれが知っている部分だけで、全容は解明されていなかった。
それが、七年後にそれぞれの思惑が食い違いながら進んでいく。


会話のテンポがいい。
だけど、言葉使いが現在っぽくない。
当時の男女は、こんなにきざな話し方だったのかな。

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クララおばさん

こんばんは

人間のもつ弱さが感じられますね

臆病者の私です^^
by クララおばさん (2012-06-12 20:25) 

ミックスジュース

臆病者の犯罪者の方が緻密に計算はするんじゃないでしょうか。だけど、臆病だから突発的な出来事に大胆に対応ができずにぼろがでてしまい発覚してしまう。
by ミックスジュース (2012-06-12 23:18) 

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