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高村薫「レディ・ジョーカー 上中下巻」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

読み終えるのにずいぶんと時間がかかった。
すらすらと読んでいけない文章だった。私の読書の趣味がまだまだ幼いって事なのかもしれないけれども、マークスの山以上の読みにくさがあったし、事件が一向に解決に向かっていかないあ遅々とした展開にも疲れた。

ネタバレあり



レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03/29
  • メディア: 文庫




レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈中〉 (新潮文庫)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03/29
  • メディア: 文庫




レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)

レディ・ジョーカー〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/03/29
  • メディア: 文庫


グリコ森永事件をモデルにしている小説らしい。
その事件も未解決で時効を迎えたと思うのだけれども、この小説も迷宮入りの様相で終わる。

犯人視点で事件が描かれないのは、犯行を想像させていいんだけれども、新聞記者目線が多過ぎだし必要なのか?新聞記者がつかめる事って、警察でもつかめそう。
記者目線で事件が解かれていく、犯行の背景が浮かび上がってくるというのであれば、そもそも最初から犯人が誰で動機が何かを明かしてしまっていたら意味がない。
それに、誘拐された日の出ビール社長絡みで、裏社会との接点を明らかにしていってもいいと思う。

社長誘拐、解放まではいいんだけれども、そこから犯人の身代金要求までが長いし、要求がはじまっていよいよ警察の捜査本格化で警察小説になっていきのかと思いきや、全然捜査は進まないし、結末もうやむや。

犯人一味であった警察官の半田
身内が社会的重大事件にかかわっていたから手が出しにくかったという状況があるのかもしれないけれども、それに大物右翼、政治家が関わってきているから、落としどころを探っていたらこんな状況になりました。
それが現実社会なのだとしても、これは小説なんだから、ノンフィクションではないのだから、そんな現実に合わせる必要はないんじゃないか。

半田は逮捕されるが、それは合田がお前が犯人だろ!と手紙を送りつけ、いい加減に決着つてやる!とキレた半田に刺される。それにより半田が「俺がレディ・ジョーカーだ」と自首。
合田は大手術のすえに一命を取り留め、なぜか試験を受けて昇進する。半田との事を黙っていたら昇進させてやる的な取引でもあったのかな。だとしたら、一本気な合田らしくない。
術後に元妻の兄である検察の加納に恋心を抱いていたとの告白。そのタイミングで必要だったのか?

半田は精神鑑定を受けて、裁判はどうなることやら。

日の出ビール社長は、背任で会社に訴えるように自ら申し出て裏社会との関係を含めて清算するが刺殺されてしまう。

事件に関して株取引を行っていたと目されるグループを追っていた記者は行方不明のまま。

犯行グループの言いだしっぺの物井は、生まれ故郷に一味のヨウちゃんと布川が競馬場に置いていった障害のある娘と暮らしている。
布川の行方はわからず、高はどうなったかわからず。

はっきりしない、すっきりしないのが現実であったとしても、小説なんだから落とし前はちゃんとしているほうがいいんじゃないかと思う。

きっと権力者、裏社会で生活している人たちが読んだら、移入しやすくて面白いのかもしれないけれども、身の丈に合わなさすぎだった。


レディ・ジョーカー〈上〉

レディ・ジョーカー〈上〉

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 1997/12/01
  • メディア: 単行本




レディ・ジョーカー〈下〉

レディ・ジョーカー〈下〉

  • 作者: 高村 薫
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 1997/12/01
  • メディア: 単行本



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