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ジャック・カーリイ「イン・ザ・ブラッド」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

ブラッド・ブラザーの翻訳が発売されてから、しばらく発売されなかったのでもう翻訳はされないのかと思っていたら出てきてよかったのだけれども、今作はあまり面白くなかった。

謎が繋がっていきつつ解されていく展開は他のカーソン・ライダーシリーズと同じではあるんだけれども、展開が読みやすかった。だから、犯人にも驚きはなかった。

というか、首謀者は誰?という結末だった。
その辺ももう少しはっきりさせたほうがいいんじゃないかと思うし、過去の作品と比べて異質な殺人事件の要素が少ないのも、シリーズとしての物足りなさがあった。

ネタバレあり


イン・ザ・ブラッド (文春文庫)

イン・ザ・ブラッド (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2013/10/10
  • メディア: 文庫




結局、犯人は白人至上主義の集団だったということだろう。

宣教師の妻がブスだけど肉体を駆使して男をコントロールする才能に秀でていて、宗教学校の学長、上院議員弁護士、白人至上主義のリーダーを虜にしつつ、純真な宣教師を使ってお金と権力を手に入れた。

宣教師以外の男たちは、それぞれに金儲けをはじめたけれども、宣教師の妻は若いころにナンパしてきた男と車に乗ってるところを、学長、議員、弁護士、リーダーなどに「俺の女になにしてんだ」てきな因縁をつけてリンチする遊びの感覚が抜けなくって、周囲と感覚の連れてきたところに、フォッシーという栄養士に怪しげなハーブなどでコントロールされてしまう。

宣教師が、白人が一番だ!という考えから、多くの人種の遺伝子を持っているほうが、人種による遺伝上の特性の優劣を補完しあうので、健康で長生きをするという統計に感化される。

そのことを知った、若い時に宣教師妻をナンパして暴行されていた父親を持つ人種差別主義者に反対するグループのリーダーが、宣教師の妻にそのことを教えて妻グループは宣教師を殺してしまう。


その殺人の動機があまり見えない。
白人至上主義から離脱したカリスマを殺して、さらに黒人同性愛者とのSMプレーの最中に死んだように見せかけ、名誉もずたずたにする。

名誉だけ残して金儲けを継続するより名誉も汚して金も要らないというほどの白人至上主義の発想が、人種差別にうといので、その感覚がつかめなかった。

話の流れはいいんだけれども、最終的に誰が、なぜ殺人をしていたのかを、もう少しはっきりさせてもいいんじゃないかな。
それから、作品ごとに出会いと別れを繰り返すカーソンの恋愛。
今作では新恋人はでてこかなった。検死官のクレアがカーソンを心配して誘っている気配はあったけれども進展なし。





ジャック・カーリイのカーソン・ライダーシリーズ


百番目の男 (文春文庫)

百番目の男 (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 文庫




デス・コレクターズ (文春文庫)

デス・コレクターズ (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 文庫




毒蛇の園 (文春文庫)

毒蛇の園 (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/08/04
  • メディア: 文庫




ブラッド・ブラザー (文春文庫)

ブラッド・ブラザー (文春文庫)

  • 作者: ジャック カーリイ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/09/02
  • メディア: 文庫




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