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アダム・ファウアー「心理学的にありえない 上下巻」を読み終える※ネタバレあり※ [本]

数学的にありえないのアダム・ファウアーの「心理学的にありえない」
読み終えて思うのは、心理学関係ないんじゃない?

共感覚というエンパシー能力を持った少年少女の話なのだけれども、感情に対して常人よりも過度に反応できるって部分で、感情が心の部分であるから心理学って和名をつけたのだろうけれども、無理矢理「○○的にありえない」にしなくってもいいのに。

次作も「○○的にありえない」にするのだろうか。


さて、話はとんとんと進んでいく。
第○章と細かく区切ってあり、場面が展開していくので読みやすい。
時間軸が昔と今とあって、過去が現在につながって話の繋がりが見えてくるのもいい。
ともかくテンポがいい。

だけど、主役のイライジャにイライラ。
こいつがへなちょこで、弱弱しくってダメ。
もう少しかっこよく立ち振る舞えないのかなって思う。
対人恐怖症の苦労はわからないけれども、小説なんだから、もっとやるときはやってくれる力強さがあってもいいんじゃないか。

たいして、もうひとりの主人公であるウィンターはいい。
頑張ってる。聡明な女性のイメージもいい。


ネタバレあり。


心理学的にありえない 上 (文春文庫)
心理学的にありえない 上 (文春文庫)

心理学的にありえない 下 (文春文庫)
心理学的にありえない 下 (文春文庫)





ネタバレとしては、宗教指導者のヴァレンティヌスが、死んだと思われていたチャーリーではなくてジルだった。

最後にジルが性転換手術をして男になったとの過去の場面が描かれるのだけれども、これはどーなんだろう。セックスシーンもあったし、女性が男性器をもった性転換手術ってできるの!?小説だからいいのかもしれないけれども、なんかミスリードがありすぎる印象もある。

単純に、すっかり騙されていただけだったのかもしれないけれども。
キリスト教に恨みがあるから、チャーリーより悪魔祓いの疑いをかけられて、虐待のような事をされていたジルがヴァレンティヌスであるほうが、しっくりはくるんだけれども、ジルは少女であったわけだから。
まさかの性転換だった。

続編につながりそうな、死んだと思われていたCIAの研究所の人間が生きていたり、チャーリーも生きているっぽい。研究所が何を行おうとしていのかも明かされていないし。

だけど、イライジャが弱すぎて話にならない。
彼がどれだけ魅力的な男になるかが続編の鍵だろう。



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