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高嶋哲夫のファイアー・フライを読み終える※ネタバレあり※ [本]

高嶋哲夫の作品を読むのははじめて。
小説のジャンルで好きな「誘拐」を最近読んでいなかったので読んでみた。

結果は微妙。
なんだか面白くないのは、警察側の視点がないので捜査してんのかしてないのかよくわからない。
日本の警察は優秀だからって小説の中で誘拐された側が行っているのに、ずさんな誘拐計画なのに全然、捜査が進まない警察。犯人側からの要求がないと何もできないって事はないと思うんだけどな。


ネタバレあり


ファイアー・フライ (文春文庫)
ファイアー・フライ (文春文庫)


大企業の社長に間違われた誘拐されてしまった木島は、家族の様子を見たいと懇願し、見に行くと着飾り自分の上司の車に乗り込む妻を見る。さらに、自分の横領疑惑が持ち上がり、誘拐の被害者が横領の加害者になる。

自分を誘拐した男女の兄妹と打ち解けて、会社へ仕返しをすることに。
しかし、誘拐犯の兄は山中で豪雨から避難するときに、妹を助けるために濁流の飲まれて死んでしまう。

木島は妹と身代金を奪う計画をたてる。部下に会計帳簿を取り寄せさせ、元部下に社員証などを偽造させる。そして、社長室へ潜り込み政治献金の裏帳簿があるだろと脅しをかけるが、すべて論破されてしまって意気消沈。

兄妹をつかって自分を誘拐させたのは、社長ではなくて直属の上司だと気持ちを切り替えて再び調べていくと当たり。上司の部屋にいって、横領のデータと妻への不倫を訴える。
その後、社長室へ再び行って、今度は特許に関するデータで迫る。

まず、兄妹の口座へ3億円。
自分が開発した特許を含めて、外国の特許を侵害している恐れがあるものをピックアップ。その情報を同業者に流されたくなければ、自分が設立する技術顧問会社の口座に9年間毎年2億円づつ。
元部下の設立した会社に10億円融資しろ。

社長は、サブマリン特許に関するものなど、会社を脅かしかねない、裁判費用などを含めての損得計算で支払うことに。

男は、妻の元へ。
仕事ばかりでまったく家族を顧みない夫に嫌気がさしていた。
娘と息子も同じ。父は父だけれども家族というものとはちょっと違うと感じていた。
仕事だけして家にお金を入れてればいいわけではなく、お金以外の大切なものがある。
誘拐犯の兄妹は闇金に追われて、肉体的精神的に追い詰められていたけれども、二人の家族としての絆は強かった。妻と別れ、誘拐犯の妹と一緒にタイへ。

そんな結末。


カッコいいのは社長。
10億円融資してほしいと言われたら、有望な会社と知っていて15億でどうだ?と提案。
そして、実際に融資したのが20億円。

誘拐された木島は、家族を顧みないで許しを請うのではなくて、ブティック勤務をはじめたのは綺麗になれば旦那に振り向いてもらえるかもしれないと思った妻の心をないがしろにしたのに、もう少し謝罪の誠意をみせてもいいのに、20代の女と一緒にタイへ行っちゃうんだから、なんだかなぁ。

身代金の奪い方はいいし、新宿で警察に追われて逃げる時にデパートの屋上からお金をばらまく場面とか面白かったけれども、そこから警察との攻防が激しくなってもよかったのに、一度逃げ帰った山で兄が死んでしまって、妹と東京に戻ってから警察が一切といっていいほど出てこないし、追われてる感がないから緊張感がない。



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